地下水排水対策用外壁二重壁基礎ピット排水釜場ポンプ点検口
東京の設計事務所「古橋建築事務所」様が設計・監理をされた計画「大学キャンパス内の教室棟 と 体育館+屋内プール」の体育館+屋内プールの実施設計から工事監理までを担当・協力をさせていただきました。
地下室に進入する地下水の処理
地下に鉄筋コンクリートの構造体を作る計画では、通常地下室には周囲の地下水が侵入してきたりして、空気の換気が不十分であることも重なって、湿った環境になることが多く見られます。
今回の地下屋内プールの計画では、地下周囲の地下水の侵入を妨げ、万が一侵入してしまっても侵入水を内部に入れずに処理できるように排水のルートを設けた計画としました。
排水ルートは、いつでもえ点検出来るようにして、はじめの乾燥していた状態から、どちらから地下水が侵入してしまったかを判るようにしました。
外周二重壁
地下の外周壁からは、どんなに密実なコンクリートを打設しても、完璧な防水層を形成しても、漏水がないとは保証できません。
侵入してしまった地下水は外周壁の内部側を垂れて落ちてきます。その侵入地下水を地下室の内部に侵入させないために、外周壁に沿って二重壁を設けて、侵入水がそれより内部に侵入しないようにさせています。
二重壁の奥行きは人が入れないほどの奥行きですが、壁には点検口を設けて、いつでも二重壁の中を展開できるようにして、漏水が無いかを確認出来る様にしています。
二重壁の最下部はコンクリートで躯体構造体と一体になる様に、漏水に対する防波堤を築き、そちらに防水処理を行なって地下侵入水が室内に入らない様に施しました。
この防波堤に外壁をつたって落ちてきた地下侵入水は、床下の地下ピットに落ちるように小さな穴が床に開けられています。
地下ピット
外壁二重壁内から地下ピットに落ちた侵入水は、地下ピットの底板を勾配を付けて一箇所に集められるようにします。
排水ピット釜場
地下ピットの一部に、穴を掘ったような場所を設けます。侵入した地下水はこちらに集められ、穴に設置されている「排水ポンプ」によって汲み上げられて排水されます。
この穴は「釜場(かまば)」と呼ばれ、建物の最底部に位置します。
本来なら地下の外壁面での地下水の侵入を妨げられる方法が一番好ましいのですが、
- 地下外壁防水の困難さ
- 地下構造躯体の打継ぎ部の密実の困難さ
- 地下構造躯体の変化
- 地下水の場所の移動
などによって、地下水の防水の確実性の担保は困難です。
よって、地下水が建物に侵入してしまった場合でも対応できるような措置をとることが地下室も良好な環境を維持するためには重要になります。
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