箱根の別荘を一棟貸し宿貸別荘民泊に改修リフォームリノベーション

箱根の別荘をリフォームして、民泊貸し別荘にリノベーションした計画です。

既存建物

既存建物は傾斜地に建つ地下1階地上1階の鉄筋コンクリート造の建物です。

こちらの建物の間仕切りは変えずに内装仕上げを撤去して改修することになりました。

眺望を楽しむ開放できる窓サッシ

今回の改修工事で、外装となる屋根と外壁は手直し程度の工事に留まりました。

外壁の開口部は断熱性能を高めつつ外部の眺望を十分に楽しむために、大きな窓ガラスで勝つ全面を解放できる断熱サッシに取り替えられました。

こちらの別荘の特徴といえば、周囲を樹々で囲われていることです。

春には新緑に覆われ、秋には紅葉で包まれます。冬には真っ白な雪景色になることもあります。その日本の四季を存分に味わえる空間です。

それは、大きな開口窓を設置して、周囲眺望をLDKに取り込めるようにされました。周囲の樹々は大開口の額縁で切り取られて、まるで樹々が描かれた絵画が展示されている様です。

断熱改修

既存の内装材を剥がして内側のコンクリート面を見せると、断熱材というものはありませんでした。

箱根は、冬は寒くて雪も積もるほどです。夏も最近は高温になる暑さです。

今回のリフォームは内装材を全て剥がして躯体コンクリートを見せるリフォームなので、抜本的な断熱改修ができました。

断熱は必須で、コンクリート造なので外断材も候補に上がりましたが、今回は外装 (屋根・外壁) は大きく改修をしない方針のために、内断熱工法が選ばれました。

断熱材にはウレタン樹脂の吹付断熱材が選ばれました。構造体の隅々まで入り込んで、湿気を帯びても型崩れしないためです。

間仕切りのないLDK

改修する建物は地上1階にリビング・ダイニング・キッチンと水廻り設備室があって、地下1階は個室寝室があります。

地上1階のリビング・ダイニング・キッチンは、宿泊されるお客様に箱根の緑を存分に味わっていただくために、間仕切りを設けない広い部屋のままにしました。

3方向に開口窓があり、周囲の緑が内部に取り込まれるように入り込む空間になれました。

キッチン

宿泊される方がキッチンを利用するかしないかは分かりません。

それでも

  • 広いLDKは確保したい
  • キッチンを利用しても眺望は楽しんでいただきたい

という意味から、キッチンは窓のある壁面の壁付けの方式が選ばれました。

キッチンで料理をされる方も目の前に周囲の緑が広がって、腕を振るうことが出来るようにされました。

眺望を楽しむ露天温泉風呂

周囲の樹々を眺め楽しむものとして露天風呂がありました。

湯船に浸かると、面前には骨組みが額縁となった緑が広がります。

昼間の日差しが差しみ、風でそよぐ緑の葉が楽しめます。夜は月明かりでちらちらと目に入る葉の夜景も、都会の自宅では味わえない情緒がここにはあります。

寝室ー洋室と和室

地上LDKの下部、地下には寝室個室が2つありました。

1つの個室は、床がフローリングでベッドが置かれた個室になりました。

もう1つの個室は、床に琉球畳を敷いて和室タイプにしました。押入れに布団が用意されています。布団を敷いてお休みいただきます。

双方とも窓からは緑が降り注ぐように見え、気持ちの良い朝が迎えられることでしょう。

除湿機 

箱根は一年を通じて湿度が高い地域です。湿気は室内に入り込み、除湿の対策を行わないと空気が澱んで室内にカビを発生させます。

毎日のように、部屋が使われてエアコンなども利用されれば、空気が循環する状況になるので心配はありませんが、空気が停滞する部屋については対策を行いました。

エアコンがない部屋や湿度が高くなる場所には除湿機を設置しました。除湿機は24時間または湿度が高くなった場合に動作する設定にされました。(エアコン自体は除湿機能を備えていますから、エアコンが付いている部屋の除湿はエアコンによって行われます)

除湿機によって除湿された水は溜めることなく建物の外に排水される仕組みになっていて、毎度排水する手間がありません。

space-white2-5-scaled-1.gif

下の各行文は 上記物件において設計工夫された他の部分の解説記事の題名リンクです。ご興味ある内容をクリックして解説記事をご覧ください。写真をクリックすると同物件の他の写真をご覧頂けます。

著者情報

北島 俊嗣北島 俊嗣

北島 俊嗣 きたじま としつぐ

株式会社北島建築設計事務所

お客様の貴重な財産である土地や建物を第一に守り、 より美しくデザイン性の高い豊かな建築環境を実現しています。

− 最新イベント情報 −

7/26(土)自然素材の木の家「江戸Styleの家」見学会・相談会のお知らせ @小泉拓也+栗原守

自然素材の木の家「江戸Styleの家」見学会・相談会を7月26日(土)に開催します。2005年7月に竣工した自邸兼モデルハウスです。無垢の木や珪藻土などの自然素材でできた約27坪の小振りな住まい、あたたかく気持ちのよい和モダンな住まいです。約20年が経過していますので、無垢の木などの自然素材が時間の経過とともに美しく変化(経年美化)している様子を確認することもできます。 住宅展示場の大手ハウスメーカーのモデルハウスとは全く違う空気が流れる木の家の中でゆったりと流れる時間を体感してみませんか...