注文住宅リビングダイニングキッチンLDKの間取り平面設計図

住まいの居間リビング、食卓ダイニング、台所キッチンの形と組み合わせは千差万別です。家族ごとにその形は違います。家族に合ったLDKを考え追求した事例を紹介します。LDKの間取りに悩んでおられるなら是非参考にしてみてください。お客様の家づくりに参考になるかもしれません。設計者本人からそのアイデアと実現したノウハウを聞き出してください。

夜でもカーテンを閉めずに星が眺められる高窓のあるリビング「調布の杜の家」(滝川淳+標由理)

北側に向けて片流れで降りる勾配屋根を持つ住宅です。撮影したカメラレンズの関係で天井が水平に見えるかもしれませんが、そこそこ勾配があります。

敷地の南側は集合住宅の大きな駐車場があるため、少し目線を上に向ければ遮るものは何もありません。空しか見えないわけです。2階レベルでこの解放感は、都内ではなかなか手に入れられないでしょう。

というわけで、二階リビングには南側に大きな開口部をつくり、さらにロフトに当たる高さにも開口部を設けました。夜になっても閉じることなく、開けたままでもプライバシーが守られます。

写真は下側の窓は木製ブラインドが下ろされた状態です。ロフトの窓は夕景の夜空を見上げています。

ロフト窓の前にはキャットウォークを設け、メンテナンスができるようにしています。

月の動き、雲の動きを飽きずに眺めることができる、おおきなロフト窓があるリビングダイニングです。

天井高をあえて変えることで落ち着きと解放感を演出したLDK「調布の杜の家」(滝川淳+標由理)

家づくりで間取りと共に重要なのが天井の高さです。個人差はありますが、175センチくらいの男性の場合で2.4メートルの天井高さがあれば圧迫感はありません。

少し昔の一般的な木造住宅でも天井高さは2.5メートルから2.6メートルあるものでした。ただし部屋の出入りの扉建具の高さが1.8メートルしかないと、頭を下げて出入りすることになるので、実際の天井高より低く感じることが多いことがあります。扉建具の高さを変えることで実体験の天井高はずいぶんと変わってきます。

写真の事例では、手前の天井を高く、屋根勾配に合わせて上げていき、奥のキッチンの側は低く抑えています。一体的なLDKの間取りではあるのですが、天井の高さを意図的に変えることで、室内の意匠である壁紙クロスの選択も変えています。

主にキッチンを利用される奥様の好みであるグリーンを使って、キッチン側の壁と天井をおおいました。吊戸棚やカウンターの造作家具の色と合っています。

LDKの部分はシンプルな白色の空間。日光がさんさんと入る明るいLDの光を奥側のキッチンまで届ける役割も持っています。

中央左手のほぼ黒い扉は黒板塗装を施した収納扉です。雑然としがちなリビングに、しっかり1畳分の収納スペースが付属しています。

あえて天井の高さを変えた段差は、染色したロシアンバーチの木目を生かした下がり天井を床までL字型に伸ばすことで、まるでキッチンに立つ人が舞台にいるかのような演出をしています。右手の袖壁の裏には、家事コーナーが隠れています。

キッチンの天井高さは2.2メートル。背の高い男性であれば軽く手が届く高さ。一方LDの高い天井部分は低いところで3.1メートル。写真には写っていませんが、高いところで4.3メートル。

低い天井部分があるからこそ、高い天井の解放感をより感じる造りになっています。

リビングの一部がこども部屋、客間に変わる建具の使い方「シホウニワの家」(滝川淳+標由理)

家づくりをスタートするきっかけは、家族の人数が増えたから、が一番多いでしょう。こどもに部屋を与えたいであったり、親と同居するためにであったり。

愛するお子さんに良い環境を整えるのは当然。ですが、こどもと一緒に家で過ごす期間は実は短いことはご存知でしょうか。小学校入学前から大学卒業までとして、16年。一方で建て主として建てた住まいは少なくとも50年は使います。

こどもが使わない期間のこども部屋をどうするか、を考えると永く使える家になると考えています。

写真の事例では、リビングの一部をこども部屋にする予定です。左手奥に見える建具を閉めて、まず一部屋を作ります。足りなければ、建具をいったん外して、少し手前にある建具枠のラインまで動かして閉めることも可能です。真ん中をパーティションで仕切れば、ふた部屋できます。

写真の建具位置は撮影用で、施主は現在は右手の本棚の並びに置いているはずです。そうすればひろびろとした約26畳のリビングにすることも可能です。26畳あると、ソファを置いて、こたつを置いても子供の遊ぶスペースができるくらい。

建具の使い方ひとつで、いくつも間取りを変えられることができます。写真ひとつでは、わかりにくいかもしれません。詳しくは会場で模型と図面を使ってご説明いたします。

対面する2つのこども部屋から見下ろす内窓を設けた吹き抜けリビング「2つの箱の家」(滝川淳+標由理)

まるまる2層分ある吹き抜け空間のリビングです。吹き抜けに面する2つの個室はこども部屋になっており、それぞれに開けられた窓にはアンティークガラスがはめられており、ゆるやかにプライバシーを守っています。

アンティークガラス窓を開け、下を見るとリビング、正面を見ると兄妹のこども部屋とリビング超しに広い庭を眺める事が出来ます。

階段の踊り場がプレイスペース「2つの箱の家」(滝川淳+標由理)

兄妹の個室をつなぐ広い階段踊り場は兄妹のためのチャイルドスペース。本を読んだり、勉強したり、DVDをみたり、現在ではピアノが置かれて妹さんのピアノリサイタルの空間です。

踊り場下横には広いキッチンがあるので、食事支度中のママとお話も気軽にしながら過ごす事のできる兄妹の思い出の場となります。

一体感のある家「木漏れ日の家」(内田雄介)

東京の郊外に建つ3人家族の為の住まいです。水や緑を感じる豊かな自然に包まれた環境で人と町と自然がより調和するようにそれらを繋ぐ建築の姿を考えました。その恵まれた環境の中で四季の移ろいを楽しみ光と陰がもたらす穏やかで心地良い空間を目指してプランニングを行いました。間取りや開口部の取り方、天井高などを丁寧に調整する事で実現した敷地周辺の緑に包まれているような感覚があたかも森の中で光が差し込む木漏れ日のようで心が安らぐ空間となっています。 

ご家族にアレルギー体質の方がおられたために、内装の仕上げ材には極力自然素材が採用されました。例えば、床は接着剤を使用しない無垢のフローリング、壁は漆喰の塗り壁です。

また「一体感のある家」にされたいというご要望は、1階と2階を吹抜けで繋いで、どこに家族が居るのかを気配で感じることの出来るようにしました。

著者情報

北島 俊嗣北島 俊嗣

北島 俊嗣 きたじま としつぐ

株式会社北島建築設計事務所

お客様の貴重な財産である土地や建物を第一に守り、 より美しくデザイン性の高い豊かな建築環境を実現しています。

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「江戸Styleの家」オープンハウスのお知らせ 2024 年11月30日(土) @小泉拓也+栗原守

「江戸Styleの家」オープンハウスを11月30日(土)に開催します。2005年7月に竣工した自邸兼モデルハウスです。約19年が経過していますので、無垢の木などの自然素材が時間の経過とともに美しく変化(経年美化)している様子を確認することもできます。自然素材の小振りな住まい、あたたかく気持ちのよい和モダンな住まいの雰囲気をご自身の目と心で体感してください。 *「江戸Styleの家」はエコの取り組みでグッドデザイン賞を受賞しました。 *2021年12月「渡辺篤史の建物探訪」、「突撃!隣...