骨組み構造を取り替える建替えできない木造住宅スケルトンリフォーム
今週のリレーブログを担当しますギルドデザイン一級建築士事務所の磯村です。
築年数が40年も経つ住宅では、一見しっかりとしているようでも、解体してみると痛んでいるものです。今回の「建替できない家」でも、同様でした。
基礎がこれだけ痛んでいては、また、既存基礎の高さが低すぎるのも問題で、基礎から直さないと、また、シロアリや腐朽菌の被害を受けてしまいます。
基礎を直すために、曳家さんによる既存骨組みの持ち上げの工法、費用検討などもしましたが、今回は、建物が小さいことから、工務店さんからの提案を受け、既存柱を足元で全体的に固めて、高さを維持したまま浮かせ、基礎と土台をやり変えることとなりました。
住宅の骨組みが、柱の足元で固められ高さを固定された状態で、基礎が解体されました。土台が一部抜かれて、土台に刺さっていた柱のほぞを見ることができます。
基礎解体ののち、改めて基礎を造り直しました。
今回はベタ基礎にして基礎の強度を高めつつ床下の湿気を抑え、基礎の立上り高さも、周辺地盤面の一番高い所から30cmは確保するようにしました。
基礎鉄筋の配筋検査をし、コンクリートも打設が終わりました。
下の写真は、新しい土台、入れ替えるべき柱の入れ替え、間取りも変更しているので、2階の床を支える梁の架け替えもだいたい完了した時の写真です。
まだ、最終的な構造金物のによる締固めや、つないだ柱の補強はできていません。この後、耐震性を高めるための耐震壁の配置、構造補強をしていきます。
今回の「建替できない家」のスケルトンリフォームでは、解体してみたところで基礎や柱など、痛んでいる部分が多く見つかりました。
日本の木造の面白いところというか、優れたところですが、大工さんたちの経験からも、構造材でも取替えや造り直しが比較的容易にできます。
上の写真のように、古い部分と新しく替えた部分が混在しながらも、現在の住まい方に合わせた間取り、現在の住まい方に求められる性能(断熱性、気密性、耐震性など)の住まいへとヴァージョンアップさせることができます。
建替できない家であっても、優れた性能の家へ変えられるのです。
「建替できない家」の工事も、これから仕上げ工事へと進みます。今回ご紹介できるのはここまでですが、ご興味がありましたら、ギルドデザインのブログ「茶の間のある家_リフォーム」をごらんください。
順次、仕上がりの様子もご案内していきます。
− 最新イベント情報 −
2025年9月20日(土)「自然素材の平屋の木の家」完成現場見学会のお知らせ @小泉拓也+栗原守
中野区の「自然素材の平屋の木の家」は平屋の約33坪の住まいです。建築主さまのご厚意により2025年9/20(土)完成現場見学会を開催させていただくことになりました。リビングダイニングとつながる大きなデッキテラスで内と外の暮らしを楽しむことができる平屋の木の家です。 無垢の木や左官の薩摩中霧島壁、沖縄の月桃紙、天井のくりこま杉などの自然素材でできた温かく気持ちのよい空間の雰囲気をご自身の目と心で体感してください。 家づくりを検討中の方のご参加をお待ちしています。時間指定で3組限定の見学...