既存住宅の古材を再利用して新築内装に活かす注文住宅設計デザイン工事

「今の住まいの材料を建て替える家に使えますか?」というご相談を沢山いただきます。

  • 住み慣れた家
  • 由緒正しい家
  • 柱に家族の思い出を刻んだ家
  • 欄間や床柱、仏壇や神棚

で、古材料を丁寧に解体して保存し、新居で家族の歴史として象徴的に古材を再利用してインテリアにした実例です。既存住宅の丁寧な解体から、新居で使用する設計、確かな工事組立は、ご家族の想いを計画当初から理解して実現する当事者が居ないと困難です。

築100年の母屋の材料を継承再利用「時を紡ぐ家」(内田雄介)

東京郊外の大規模造成地域内に母屋、離れ、納屋からなる6人家族の為の計画です。 クライアントは長い間この地に住まわれていましたが、区画整理事業に伴い移転を余儀なくされました。移転前の敷地は里山に包まれた中にあり、築約 100 年の母屋や蔵からは穏やかな時の移ろいを感じることが出来ました。クライアントからはそれまでの旧母家の佇まいや、材料を継承してほしいとのお話を頂きました。 そこで計画をすすめるにあたり旧母家の大黒柱や建具など、再利用できる古材を計測することから始めました。また、建物の外観や構造など出来る限り受け継ぐようにプランニングを進めていきました。 また周辺が将来どのように開発されていくかわからない中で設計を進めることに なりましたが、今後変わりゆく風景に調和し続ける普遍性を伴った形を考えました。「時を紡ぐ家」は日々の暮らしの中で、思い出や記憶が受けつがれていく事を 願って設計した住宅です。 

既存建物の材料を再利用する際は、解体で材料が傷付いたりしないように、建物を造って下さる大工さんに解体を手伝っていただき、慎重に解体されました。再利用材の建て替えられるまでの保管は、地元の材木店さんにご協力をいただいて保管していただきました。再利用された材料は、力を支える構造材としては利用できないと判断されたので、化粧材料としたり、違う場所で復活させたりと工夫が行われました。

和風住宅の床柱欄間障子を再利用した住まい(北島俊嗣)

既存住宅の造作材料を保存し、再利用する方針

横浜の昭和初期に建てられた木造平屋の和風住宅は、耐震と断熱の性能向上を考慮して、建替えることになりました。

床の間やその他の造作部材は、立派に造られたもので、お客様もご家族もご先祖様に敬意を払われて、再生できる部材を建替える住宅に再利用する方針とされました。

既存床柱

丁寧に取り壊して保存する

既存建物の解体工事では、再利用する部材を解体工事を専門に行う方ではなく、工事組立をしていただく方にお願いして、丁寧に取り外されました。床柱、障子、欄間、仏壇、神棚の造作材が再利用されることになりました。丁寧に養生梱包し、再利用される製作工事まで保管されました。

既存付書院

既存欄間

既存仏壇

(工事中写真:復旧再利用された床柱・書院障子)

床柱・障子・欄間・仏壇・神棚が再利用されました。

床の間の床柱

付書院の欄間障子

欄間

仏壇造作

神棚板

 

著者情報

北島 俊嗣北島 俊嗣

北島 俊嗣 きたじま としつぐ

株式会社北島建築設計事務所

お客様の貴重な財産である土地や建物を第一に守り、 より美しくデザイン性の高い豊かな建築環境を実現しています。

− 最新イベント情報 −

「江戸Styleの家」オープンハウスのお知らせ 2024 年11月30日(土) @小泉拓也+栗原守

「江戸Styleの家」オープンハウスを11月30日(土)に開催します。2005年7月に竣工した自邸兼モデルハウスです。約19年が経過していますので、無垢の木などの自然素材が時間の経過とともに美しく変化(経年美化)している様子を確認することもできます。自然素材の小振りな住まい、あたたかく気持ちのよい和モダンな住まいの雰囲気をご自身の目と心で体感してください。 *「江戸Styleの家」はエコの取り組みでグッドデザイン賞を受賞しました。 *2021年12月「渡辺篤史の建物探訪」、「突撃!隣...