個室寝室を遮音防音室に変えるマンションリフォーム
文京区のマンションリフォームのご家族に、出来れば静寂な中で生活したい方のご希望がありました。
ある時お身体の調子が悪くなり、振動や物音に敏感になったそうです。リビングやダイニングでは関係ないのだけれども、個室でお休みの際は、扉の開閉の音、水廻りの音、コツコツやカチカチ音を感じないようにしたいと申されました。
建物全体は鉄筋コンクリート造なので、上下左右の住戸の振動や物音は遮音出来るとして、住戸内の振動や物音をどのように個室に伝えないかを検討しました。
今までに気になった振動や音は、
- 外の騒音
- 間近の水廻り設備室からの音
- 扉の開け閉め音
- 電気スイッチのカチカチ音
とのことでした。
寝室を防音
まず寝室に入ってくる振動及び音を遮ることにしました。(防音・遮音)
窓面の防音
外壁面にあるサッシガラス窓は、一枚のガラスのサッシ窓だったため、窓の内側に遮音と断熱を兼ね備えた もう1つの複層ガラスのサッシガラス窓を取り付けました。
壁面の遮音
鉄筋コンクリートの壊せない壁を除く、新たに組み立てる壁は、壁の下地棒を互い違い(千鳥配置)に二重にして、下地棒の間にはグラスウール吸音材を入れ込んでから両側に板を貼りました。さらに板の片面には遮音性のあるゴム製のシートと石膏ボードがくっついてるものを選んで、振動しにくい壁にしました。
扉の防音
個室寝室の扉、その次の扉は、音や振動を伝えにくい重たい木製の扉を選定し、扉の周囲に付く枠にゴムを貼り 扉の間に隙間が出来ないようにして音や振動が漏れ響かないようにしました。
防音遮音の効果は1つの部分だけで叶うものではなく、多重の措置と防音装置を多重に重ねて音や振動の侵入を防ぐことが肝要です。
水廻り室の防音
音源となる水廻り設備の部屋すなわち脱衣室洗濯室お風呂は、器具が動いて何かと当たったり、水が流れて振動を出したりして音が出ます。ご家族が脱衣室洗濯室お風呂を利用したときに、
- トコトコ足音
- 体や道具が壁に当たるドンドン音
- 水が流れるジャラジャラ音
- 電気スイッチをつけたり消したりするカチカチ音
がして、気になります。
そこで、
- 床の下地や器具の設置した時では防振ゴムを入れて振動を吸収
- 壁の中は下地棒を千鳥に配置してグラスウール吸音材を入れ込んで音が伝わらないようにします
を行いました。
電気のスイッチ
電気のスイッチのオンとオフをするスイッチプレートは、ご本人に触ってもらって音の具合を見てもらって選んでいただきました。
防音や遮音の性能をより高く確保するためには、予算とスペースが許す限り、音や振動の特性をよく分かった上で、多重に装置や内装を重ねることで実現できます。
完成した寝室に入ると、無音に近い環境が出来上がり、水廻り室で水を流したりお風呂に入ったりしても音が聞こえる事は無くなりました。
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