3階建て共同住宅賃貸マンションアパート@川崎のRC鉄筋コンクリート造壁式ラーメン構造設計

神奈川県川崎市高津区に 3階建てRC鉄筋コンクリート造の賃貸マンションの設計をさせていただきました。

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構造形式を選ぶ:RC造・S造・木造 ?

3階建て共同住宅の構造形式について、どんな形式にされるかについて比較検討されました。

階数3階・延べ面積300m2という面積規模から、建物は「耐火建築物」にしなければなりません。

各構造形式の特徴は、

  • 鉄筋コンクリート (RC) 造:費用は鉄骨造とほぼ同等、上下左右 (他人) の音振動が伝わりにくい、鉄骨造ほど広い空間は確保出来ない、骨組みは改変が困難
  • 鉄骨 (S) 造:費用はRC造とほぼ同等、柱のない広い空間になれる、骨組みだけ残して模様替えが可能
  • 木造:費用はS造 RC造に比べて安価、上下左右 (他人) の音振動が伝わる

様々な条件を比較して、

  • 耐震や長寿命に対する安心感から導かれる家賃の維持
  • 共同住宅アパートとして利用し続ける (他に変更しない) こと

を鑑みて、鉄筋コンクリート (RC) 造が選ばれました。

ちなみに、事務所や賃貸テナントビル においては、利用する面積や使い方の変更が将来予想されるので、骨組みだけ残して 間仕切り壁などは自由に移動・改変が可能な鉄骨造 (S造) が選ばれる傾向にあります。

鉄筋コンクリート造の「壁式ラーメン構造」

骨組み方針が鉄筋コンクリート造に定まった後、さらに「壁式ラーメン構造」にて設計することを定めました。

構造骨組みは、柱 (垂直材) と 梁 (水平材) を井桁に組み合わせて、これに床と壁を取り付けるものです。

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鉄筋コンクリート造で階数が4階を越えると柱は太くなる必要がありますが、4階まででは、柱は耐震構造として付けられる耐震壁の厚みとほぼ同じになり、見た目は柱が露出しない壁だけの骨組みになります。

柱が壁の厚みと同じになると、間取りプランで 柱の出っ張りが室内に露出しなくなります。少しでも広い面積を確保するために大変都合が良い構造形式です。

また鉄筋コンクリート造の壁や床は、隣接する入居者同士の振動や生活音を遮断・減少させてくれるので、共同住宅という建物には相応しい骨組み構造と言えます。

上記の観点から、鉄筋コンクリート (RC) 造における「壁式ラーメン構造」が採用されることになりました。

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下の各行文は 上記物件において設計工夫された他の部分の解説記事の題名リンクです。ご興味ある内容をクリックして解説記事をご覧ください。写真をクリックすると同物件の他の写真をご覧頂けます。

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RC造3階建てロフト付賃貸マンション共同住宅

著者情報

北島 俊嗣北島 俊嗣

北島 俊嗣 きたじま としつぐ

株式会社北島建築設計事務所

お客様の貴重な財産である土地や建物を第一に守り、 より美しくデザイン性の高い豊かな建築環境を実現しています。

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