木造歯科医院併用住宅の地盤調査と杭基礎地業工事
東京日野市の歯科医院併用住宅の建替え計画で、建物自体の設計が進み、全貌が分かってきた状態になると、
- 木造建物本体の重量
- 敷地における建物の位置
が、ほぼ定まります。
そこで建物を地面下で支える地盤面の深さを調査する地盤調査が行われました。
建物が傾く理由
そもそも地下の無い木造の建物は、地表面にコンクリートで出来たお盆の様な基礎を置いて、その上に木の骨組みを組み立てる方式の構造です。
地面が固ければ木造建物全体は水平を保っていられますが、地面が軟らかく建物の重さで変形してしまうと、建物は傾いてしまいます。
地面は一様に硬いわけではなく、地面表層の形成状況で建物を置く視点からすると軟弱な地面地盤ばかりです。
そこで建物を建てる前に、建物を支えてくれる地面地盤の高さを測る「地盤調査」を行います。新たに建物を建てる際は必ず必要で例外はありません。
地盤調査
鉄筋コンクリート構造に比べて建物の総重量が軽い木造の地盤調査は、「スウェーデン式サウンディング試験」と呼ばれる鉄棒を地面に向かって垂直に挿入し、その入れ込み状況によって地盤の硬さを調査して、建物全体を支える硬さを持つ地盤の位置を調査します。木造などの建物重量で使用される調査方法で、地表面から約15mくらいまでの深さで可能な調査です。
鉄棒を地面に挿入して調査する箇所は、建物の形や大きさによってその都度選ばれますが、今回は、
- 建物の各コーナー端部
- 建物の中心部
で行われました。
今回、「エイチ・ジー・サービス株式会社」様が現地で地盤の調査を行なってくださいました。
地面から約6メートル下に建物を支えてくれる地盤面がある結果が出ました。
杭の工事
建物を支えてくれる地盤面が地表面に無く、地中深いところにある場合は、地中を建物を支えてくれる地盤に変えなくてはなりません。
それを「地盤改良」と呼び、支持地盤の深さにより工法が異なります。
支持地盤の深さが、
- 2メートルくらいまで・・・表層改良工法・・・支持地盤の上部の土壌にセメントを混ぜ合わせて表層地盤を硬化させる工法です。
- 8メートルくらいまで・・・柱状改良工法・・・表層改良工法で行なった土壌とセメントを混ぜ合わせる工法を柱状に行なって、建物の基礎を支える工法です。
- 30メートルくらいまで・・・杭工法・・・土壌とセメントなどの固形材による改良が困難な深さの場合に固い棒状の杭を地中に挿入して建物の基礎を支える工法です。
今回は、支持地盤の深さと工期短縮を目的として、杭を打ち込む工法が選ばれました。
杭自体は金属性で、先端にドリルのような羽が付いていて、杭を回転させて掘り進み押し込むものです。
各杭で、支持地盤に先端が付くと回転に抵抗が掛かり、その状況をもって支持地盤に杭が届いたと判断しています。
杭の工事が完了すると次はその上に載せる鉄筋コンクリート基礎の工事に取り掛かられました。
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