注文住宅の希望を維持して工事費用見積金額を安くする方法

初回プレゼンの内容は、おかげ様でお客様に気に入って頂く事ができました。幾つかのさらなるご要望を元に手直しを加えた上で、引続き内容を詰めて行く事となりました。ただ、手放しで進められる訳ではなく、ご予算とのバランスには少々懸念が残りました。特に今回は、大津で施工者を新規に探す必要があります。過去に仕事を一緒に行った事のある施工者であれば、図面に描かれている内容が、現場でどのように納まりが付いてゆくかの予想がある程度できますが、始めての場合はそうは行きません。見積を行う際に、図面だけでは見えて来ない設計者と施工者の間の調整事に保険を掛ける意味で,金額が高く出てくる可能性が考えられました。

そういった想いはお客様とも共有できていたため、詳細の設計を進めて行く前に、ザックリとした金額の掴みを行いたいと思い、先日のバトログでも書かせて頂きましたが、基本設計の段階で「概算見積り」を行う事にしました。これに関しては、地元で候補となりそうな施工者を3者ほど選定し、相見積をとりました。結果的には、この予想が的中した感じで、東京での相場より高めに見積が上がって来たため、設計の見直しに取り掛かりました。減額に向けての有効な手段として

  1. 床面積を減らす
  2. 外壁の面積を減らす
  3. 仕様を変更する

といった事が考えられます。

  1. に関しては、お施主様のご要望による条件と少なからず調整が必要になります。特に、リビング、キッチン、ダイニング、個室といった部分は、実際に家ができ上がった後に、直に接する空間(気積)となりますので、十分なお話しあいを行いました。また、玄関、廊下、階段などの共用部をコンパクトにする事で、全体の面積は圧縮する事ができました。
  2. 今回のケースでいえば中庭がある事により、外壁面積は増えておりました。そもそもの始まりが中庭のある模型にご興味を頂いた事からスタートしていたため、これを無くす事は非常に大きなご判断を頂く事になると考えておりました。ところが何と、お客様から発想の転換となるご提案頂く事になります。外部の様な明るさを持った、吹抜けを玄関部分に取入れ、2階リビングと大型ガラスで繋げるといったものです。
  3. 仕上材や設備のグレードにも見直しを掛けました。特に仕上材に関しては同じ材種でコストを下げると、単にグレードダウンする事になりますが、素材を置き換えながら性能と意匠性を担保しコストダウンを図るVE(バリューエンジニアリング)を我々は提案致します。これには経験則が非常にものをいいますので、ある意味、その設計者の力量が試される事にもなります。

この様な段階を踏みながら、主要な部屋は残しつつ、更新したPLANができ上がりました。これを元に実施設計に取り掛かりましたが、工事契約に向けては、さらに越えなければならないハードルが幾つも待ち受けておりました・・・。

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石川利治
3*D空間創考舎一級建築士事務所

著者情報

石川 利治石川 利治

石川 利治 いしかわ としはる

3*D空間創考舎一級建築士事務所

お客様にとって「快適で上質な空間」をお話をしながら、 きめ細かく建築に盛り込みます。コミュニケーションを大切にし、 技術力と感性の統合を行い、最適なご提案を致します。

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この度、設計事務所アーキプレイス(石井正博+近藤民子)で設計監理しました『明大前の賃貸併用二世帯住宅』が竣工間近となり、建て主様のご厚意によりオープンハウスを開催させていただくことになりました。 敷地の高低差を利用して、道路に面した半地下の賃貸住戸を作り、その上に2層の木造をのせ、地下1階地上2階建ての準耐火構造の共同住宅+長屋として計画。建ぺい率や高さ制限をクリアさせ、緩和(天空率,地下緩和)も使って最大限の容積を確保しました。オーナー住戸は、外部空間との繋がりをもたせながら、南東側の広がり...