注文住宅の希望を維持して工事費用見積金額を安くする方法
初回プレゼンの内容は、おかげ様でお客様に気に入って頂く事ができました。幾つかのさらなるご要望を元に手直しを加えた上で、引続き内容を詰めて行く事となりました。ただ、手放しで進められる訳ではなく、ご予算とのバランスには少々懸念が残りました。特に今回は、大津で施工者を新規に探す必要があります。過去に仕事を一緒に行った事のある施工者であれば、図面に描かれている内容が、現場でどのように納まりが付いてゆくかの予想がある程度できますが、始めての場合はそうは行きません。見積を行う際に、図面だけでは見えて来ない設計者と施工者の間の調整事に保険を掛ける意味で,金額が高く出てくる可能性が考えられました。
そういった想いはお客様とも共有できていたため、詳細の設計を進めて行く前に、ザックリとした金額の掴みを行いたいと思い、先日のリレーブログでも書かせて頂きましたが、基本設計の段階で「概算見積り」を行う事にしました。これに関しては、地元で候補となりそうな施工者を3者ほど選定し、相見積をとりました。結果的には、この予想が的中した感じで、東京での相場より高めに見積が上がって来たため、設計の見直しに取り掛かりました。減額に向けての有効な手段として
- 床面積を減らす
- 外壁の面積を減らす
- 仕様を変更する
といった事が考えられます。
- に関しては、お施主様のご要望による条件と少なからず調整が必要になります。特に、リビング、キッチン、ダイニング、個室といった部分は、実際に家ができ上がった後に、直に接する空間(気積)となりますので、十分なお話しあいを行いました。また、玄関、廊下、階段などの共用部をコンパクトにする事で、全体の面積は圧縮する事ができました。
- 今回のケースでいえば中庭がある事により、外壁面積は増えておりました。そもそもの始まりが中庭のある模型にご興味を頂いた事からスタートしていたため、これを無くす事は非常に大きなご判断を頂く事になると考えておりました。ところが何と、お客様から発想の転換となるご提案頂く事になります。外部の様な明るさを持った、吹抜けを玄関部分に取入れ、2階リビングと大型ガラスで繋げるといったものです。
- 仕上材や設備のグレードにも見直しを掛けました。特に仕上材に関しては同じ材種でコストを下げると、単にグレードダウンする事になりますが、素材を置き換えながら性能と意匠性を担保しコストダウンを図るVE(バリューエンジニアリング)を我々は提案致します。これには経験則が非常にものをいいますので、ある意味、その設計者の力量が試される事にもなります。
この様な段階を踏みながら、主要な部屋は残しつつ、更新したPLANができ上がりました。これを元に実施設計に取り掛かりましたが、工事契約に向けては、さらに越えなければならないハードルが幾つも待ち受けておりました・・・。
01.定年を控えた単身赴任後の家をリフォームするか建替えるか
02.遠隔地で行う家づくり ハウスメーカーと設計事務所の違い
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「江戸Styleの家」オープンハウスのお知らせ 2024 年11月30日(土) @小泉拓也+栗原守
「江戸Styleの家」オープンハウスを11月30日(土)に開催します。2005年7月に竣工した自邸兼モデルハウスです。約19年が経過していますので、無垢の木などの自然素材が時間の経過とともに美しく変化(経年美化)している様子を確認することもできます。自然素材の小振りな住まい、あたたかく気持ちのよい和モダンな住まいの雰囲気をご自身の目と心で体感してください。 *「江戸Styleの家」はエコの取り組みでグッドデザイン賞を受賞しました。 *2021年12月「渡辺篤史の建物探訪」、「突撃!隣...