建築家ならではの工夫いろいろキッチン @七島幸之+佐野友美
家づくりにおいて、気合いをいれるもの、建物に大きく影響を与えるものの1つにキッチンがあると思います。
キッチンといっても、お施主さんによって、形態や仕様など思い描くものは本当に様々です。
・毎日使うから、とにかく素材も形も使いやすいキッチンにしたい
・作業風景や雑多な感じを見せたくないので籠った場所(クローズ)がいい
・とにかくカッコイイキッチン!
・みんなでワイワイ囲めるオープンなキッチン(料理する人だけ孤立する空間はいや)
・オープンとクローズの中間のようなキッチン・・・
要望は色々ですが、皆さん共通して『自分が気持ちよく使えるキッチン』を求めています。
それらの要望を踏まえたキッチンを作る方法として、大きく以下の3つに分かれると思います。
1.メーカーの既製品キッチン
2.オーダーキッチン屋さん・家具屋さんによる造作キッチン
3.現場の大工さん+建具屋さんによる造作キッチン
1.の既製品キッチンは、使い勝手や収納を考慮して、かゆいところに手が届くような収納・機能が設えられています。
ご自身がキッチンに求めるものがそれらに合致すればとても魅力的です。ただ、決められた作業台の高さや幅などなど既製品サイズに自分が合わせることにもなります。
変形地や狭小地、または、間取りの関係から既製品キッチンが納まらない場合、
カウンターや面材等の仕上げなどちょっとしたことが気になる方には、2.3.の造作キッチン、オススメです!
今回は、『2.オーダーキッチン屋さん・家具屋さんによる造作キッチン』の実例を紹介したいと思います。
設計事務所によって対応は変わると思いますが
私共の事務所では、プラン(形状)やサイズ・面材も含めてお施主さんと私共でお打合せし
製作・取付をオーダーキッチン屋さん・家具屋さんにお願いしています。
その際、オーダーキッチン屋さん・家具屋さんから何か新たなご提案等があれば、それも含めてまた検討しています。
☆事例1:オシアゲマンションリノベーション
築25年のマンションをリノベーションしたのですが、お友達とワイワイ使いたいというご要望から
キッチンとダイニングテーブルが一体となったキッチンとなりました。
キッチン部分2m、ダイニングテーブル2mの全長4m。キッチン2mは少し狭めですが、ダイニングテーブルがひと続きになっているので、作業中はそこも使って、、、と二重使いできるような設え。皆が気兼ねなく使えるようにと、天板の仕上げはステンレスです。

☆事例2:若葉町の住宅
ご夫婦とお子さん3人の住まいですが、お子さんは高校生・大学生・社会人1年生。
生活時間帯も異なるため、家族それぞれが使いやすいキッチンにしたい、というご要望。
キッチンがLDKの中心になるので、キッチンという作業台ではなく、家具のイメージで造りました。

☆事例3:東砂のロードサイド
敷地の形状から細長い建物になり、細長い建物に併せた細長いアイランドのキッチンにしようか、壁付キッチンにしようか、、、色々検討したところ
幅が狭いながらもアイランド、しかもほぼ正方形の形になりました。
ご夫婦二人でキッチンに立つことも多いそうで、お二人がキッチンのまわりを回遊出来るような設えです。
ただ、レンジフードが天井から吊るされているのがイヤとのことで、海外からの輸入レンジフードを取り入れました。
天板から出たり入ったりするレンジフードなので、見た目スッキリですが、IH用です。


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