建物の耐震強度 その4 耐震等級の意味 @北島俊嗣

最近では「耐震等級」という言葉で、建物の地震に対する強度が示されています。住宅の品質確保の促進等に関する法律「品確法」の住宅性能表示制度にあるものですが、建築基準法の耐震基準で確保が定められている耐震性能を1として比べたもので、

・ 等級1=耐震性能が耐震基準と同じ(1.0倍)

・ 等級2=耐震性能が耐震基準の1.25倍

・ 等級3=耐震性能が耐震基準の1.50倍  と、なっています。

では、この1.25倍、1.50倍というのは、どの程度のものを示しているかを言葉で表すとしますと、国土交通省が示す「官庁施設の総合耐震計画基準」で同様に耐震基準の1.25倍、1.50倍をと設定しており、

・ 1.25倍・・・大地震動後、構造体の大きな補修をすることなく建築物を使用できることを目標

・ 1.50倍・・・大地震動後、構造体の補修をすることなく建築物を使用できることを目標

としています。耐震性能を高めた結果作用の指標として下さい。

しかしながら、建物構造体の耐震性能を高めたとしても、2次部材、設備なども併せてその耐震性能を高めていないと、本来の意味である人命の安全確保と地震後の生活活動の確保が出来なくなるので注意して下さい。さらに、その耐震性能の向上は如実に建設コストに反映されると同時に、それを実現する設計者施工者の資質も必要なのでご留意ください。

 

北島俊嗣
北島建築設計事務所

 

著者情報

北島 俊嗣北島 俊嗣

北島 俊嗣 きたじま としつぐ

株式会社北島建築設計事務所

お客様の貴重な財産である土地や建物を第一に守り、 より美しくデザイン性の高い豊かな建築環境を実現しています。

− 最新イベント情報 −

オープンハウス(完成見学会)回遊動線のあるつくばの家 3/20(祝) @石井正博+近藤民子

この度、設計事務所アーキプレイスで設計監理しました『回遊動線のあるつくばの家』(木造2階建)が竣工間近となり、建て主様のご厚意によりオープンハウスを開催させていただくことになりました。 つくば市の新旧入り交じる住宅街に建つ、3人家族のための住宅です。 リモートワークが広まり家で過ごす時間が長くなる中、ご夫婦それぞれの仕事場でもある住まいには、より快適に暮らしていけるよう、ゴロンとできる和室、本棚のあるヌック、子供と遊べる南の庭などの場所をちりばめています。 オープンハウス(完成見学会)...