建物の耐震強度 その5 真っ当な安心安全の実現 @北島俊嗣
巷では耐震等級について、1でなく3であることを“ウリ”にして住宅販売を展開されている会社様が数多見受けられます。特別な理由がない限り、また前述した通り、新耐震基準等級1で人命の確保はなされていますから、ご予算の余裕があれば別ですが、敢えて2や3の等級にする必要はないと私は考えています。
また構造の方式の選択(木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造)によって、選んだ構造がそれとは異なる構造より強くなったり弱くなったりする基準もありません。構造方式の選択は、建物の用途や求められる荷重、使い勝手、予算などで変わり、選択され、耐震基準にのっとって設計されるので、強く設計すれば頑強なものになるのです。
鉄だから木より強い、コンクリートだから鉄より強い、そういう比較は出来ません。飽くまでも耐震性能の数字によるのです。
もし、どうしても耐震性能を高くお望みで耐震等級3をお求めな場合は、地震の力を建物本体に伝えない工法の、免震建物工法をお勧めします。
総じて、建物に法律で最低限求められる耐震性能は、充分にその効果を発揮していて、それ以上に耐震性能を高めることは浪費であることをお判りいただきたいと思います。東日本大震災が起こって耐震性能に感心が高い状況で、耐震性能の等級高さを良い商品のごとく説明して高い工事費の提示をして来られる方々にはどうぞご留意ください。
では、真っ当な工事費で安心安全な建物を得るにはどうするか? その答えは、建築家に相談することにあります。私たち建築家は、自らには利益追求方針なく、国より建築士という免許を預かり、建て主様の利益財産確保を第一に考える職能です。ご家族にとって相応しい住まいを、様々な条件(敷地のかたち・ご家族の生活スタイル・ご予算など)から追求して設計を行い、設計図通りに工事がされているかを監理して、真っ当なお住まいの実現をお手伝いしています。
− 最新イベント情報 −
「武蔵野の雑木林を借景にする木の家&エコハウス」(長期優良住宅)完成現場見学会のお知らせ 4/27(日) @小泉拓也+栗原守
調布市で工事中の「武蔵野の雑木林を借景にする木の家&エコハウス」は木造2階建て軸組工法、延べ床面積約30坪、長期優良住宅認定の住まいです。太陽熱を利用して200㍑のお湯をつくりお風呂、キッチン、洗面のお湯に利用するエコロジーな住まいになっています。 無垢のクリと杉のフローリング、左官の薩摩霧島壁、沖縄の月桃紙、天井のくりこま杉など自然素材でできた温かく気持ちのよい空間の雰囲気をご自身の目と心で体感してください。 家づくりを計画中の方のご参加をお待ちしています。 ...