Uターン帰郷して借地に歯科医院併用住宅を建て再開院する平屋間取りプラン
故郷Uターンして再開院
東京で歯科医院を開院されていた歯科医師様が2011年3月11日の東日本大震災にによって被災されたご家族の事情により、故郷福島にUターンして歯科医院を再開院されることになりました。
福島県いわき市にUターンして戻る土地を確保された時点で当方に相談をいただきました。ご相談は「今後 開院するまでをどのように進めれば良いのか教えてほしい」と言うご質問から始まり、医院家づくりの順番と必要な人材と費用について、全体的な流れと各部の詳細をご説明させていただきました。
ご納得をいただいて正式に計画が開始されました。
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住宅と歯科医院の位置関係・平屋か2階建てか
はじめに、確保された敷地を案内していただきました。敷地は非常に広く、来院される患者さん達の駐車場も充分に確保出来る広さがありました。
ご高齢のご家族のことも考慮すると、建物を上階に重ねることなく、平家で計画出来ることはこの上ない幸せでした。
住宅と医院の位置関係は、患者さん達の 利便性を考慮して、道路側に医院が配置されて奥に住まいが配置されることが自然でした。
中庭を囲む「ロの字」型の間取りプラン
建物の間取りプランの検討では、歯科医師様家族にご希望があり、その内容をメモでいただきました。ご希望について詳しくご説明をいただいて、その内容に基づいてプランが組み立てられました。
- 医院と住宅は中庭を取り囲むかたちが良い
- 建物の外壁面の窓は、患者さんの為の窓以外は、周囲外部に開けないで、中庭に向けて開けることで、落ち着いた住まいにする
- 医院と住宅は平屋で一体の建物にするが、建物の中で行き来することが出来ないように分ける
という内容でした。
ご希望を反映して、間取りプランがまとめられました。
医院と住まいを分ける:一度外に出る
医師先生の「医院と住宅は一体にするが、建物の中で行き来しない」というお考えは、「医院と住宅が隣接して「通勤」時間がなくなることが心配。今までは医院と住宅が離れていて、毎日電車で往復していたことを思えば通勤の時間や疲労が無くなるので楽になることは明らか。けれども、神経を集中して勤める医院の診療と心身を休める住宅が隣接することで、その集中と休息のメリハリがなくなることを懸念している。そこで、医院と住宅とを内部で敢えてつなげずに、一旦玄関なり出入口を出て外部に行き、外部の温度や天候を身体で感じ、集中と休息のメリハリを付けるスイッチにしたい。」というお考えでした。
医院と住宅に取り囲まれた中庭を挟んで、出来る限り離れた場所に、医院の勝手口(スタッフ出入口)と住宅の玄関を配置しました。
毎度 靴を履き、建物の外壁に沿って歩み、改めて建物に入るという形になりました。
医院併用住宅という就寝が隣接する便利な建物ではあるが故の工夫が盛り込まれた計画でした。
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