住宅の開口部 『ガラス』 その1 @小林眞人
我が家のガラスが割れ、先日取替工事を済ませました
そこで今回は住宅の開口部に使用する『ガラス』をテーマにしようと思います
我が家は1階に親世帯、2階に私の世帯の2世帯住宅で
今回はその1階親世帯のリビングルームの腰窓でした。
割れに気づいたのは昨年末、内側に障子を入れめったに開け閉めしない部分で
道路に面する部分なのですが塀より低い部分が割れていたので、いつどうして割れた
のか全く検討がつきません、8月の風台風の時なのか・・・・
ガラスはペアガラス(外側に6.8ミリの網入りガラス 内側に3ミリの透明ガラス、その間に6ミリの空気層)で
外側の網入りガラスにT字形の割れが入りました。
これが網入りでなく普通の透明ガラスであれば、完全に割れて剥落したかもしれませんから
網入りガラスの飛散防止という機能が役立ったとも言えるでしょう。
↑気づいた時にガラスを取り替えるまでの応急処置としてガムテープを貼りました
写真は障子を外して撮ったものです
1000円札を貼ってあるのは寸法の目安のためです(笑)
ちなみに1000円札の横幅はちょうど15センチです
↑この大きさのペアガラスになるとかなり重く40キロ弱あるので
足場などの上では職人さん一人で持つのは無理です
ペアガラス・複層ガラス
ペアガラスと複層ガラスは同じ意味で、ガラスとガラスの間に空間(中空層)を
もたせたガラスの事です。
旭硝子HPより
日本では20年前まではほとんどの新築建物には 1枚ガラスが使用されていました。
我が家は建てて30年近くになりますので ペアガラス用のアルミサッシはほとんど
選択の余地が無い時代でした。
その後、断熱効果や結露対策からペアガラスは一般化し、加えて省エネ性能が求められる
現代では新築のほとんどの住宅はペアガラスが採用され、マンションでもかなり高い採用率となっています。
寒冷な環境の北欧などではトリプルガラスも一般的に使用されており、近年日本でも製品化されてきています。
YKK 資料より
網入りガラス・防火ガラス
住宅でも準防火地域・防火地域では隣地に近い部分の開口部には防火性能を求められますので
普通の透明ガラスではなく、網入りガラスか防火ガラスを使用する必要があります。
冒頭に書いた様に、我が家も防火対応から、外側を網入りガラスとしたペアガラスを使用しているのです。
以前は網入りガラスよりも鉄線が一方向だけに入った、線入ガラスの方が視界を妨げないので防火ガラスとして
一般的に使用されていましたが、昭和58年には網目状に鉄線の入った現在の網入りガラスしか認められなくなりました。
線入ガラスと比較すると大幅に透明性が阻害されるので、眺望性・開放性という意味では大変残念に思っていましたし
クライアントからも何とかならないか?との相談も多くありました。
近年透明な防火ガラス(火災時に破損せずに火炎を遮断する)が一般に流通する様になってきた事は
おおいなる前進で嬉しいかぎりです。
※余談ですが、防火ガラスはけっこう前に製品化されていましたが、当初のものはかなり
黄色みがかっていてかつとても高価だったので採用する事はありませんでした。
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