調剤薬局は第一種低層住居専用地域に建てられる?
クリニックビルを建てる
鎌倉市十二所の泉水橋医院の院長先生が引退されることになり、既存医院建物を建て替えて複数の医院が入居するクリニックビルを建てることになりました。
地域医療を継続するためにも、新たに内科の医師先生に診療をしていただくことは決まっていました。複数の診療科目に増えることで、さらに地域住民の皆さんの医療的な安心につながればと思い計画されたクリニックビルです。
調剤薬局を併設したい
元々、調剤薬局は医院と道路を挟んだ離れた場所にありました。2車線の道路には付近に信号や横断歩道は無く、医院で出された処方箋を薬局で処方してもらうには、車両の往来を見定めて道路を横断しなければなりませんでした。
道路は車両の往来が激しく、向こう側には簡単には渡れなくて、以前から「横断歩道を設けて安全に渡れないか?」という声はあったそうです。
そこで道路の向こうにあった薬局を、クリニックビルの一角に引っ越そうというお話しになりました。
第1種低層住居専用地域に薬局
クリニックビルに建て替える敷地は、建築基準法上「第1種低層住居専用地域」という分類がされている地域です。この分類を「用途地域」と言いますが、用途地域の分類により建てられる建物の種類が定められています。
通常は不可
「第1種低層住居専用地域」には、住宅と診療所は建てられることは認められていますが、薬局は通常認められていません。薬局は建築基準法では「物販店舗」と分類されていて、以下の場合を除き物販店舗 (薬局) は建てられません。
- 住宅に併設された薬局 (店舗) で、薬局部分の面積が全体の50%以下で、かつ50m2未満の場合
- 行政庁の許可を得る場合
建築許可
上記1. の条件が揃えば、通常の申請手続きで済みますが、条件が揃わないと、2. の行政庁の建築許可を取得するしかありません。
今回は鎌倉市長の建築許可を得て、薬局をクリニックビルに移転開局出来ました。
建築許可の申請手続は、周囲住民皆様へ薬局の必要性を説明して反対なく同意をいただき、さらに建築審査会(警察署・消防署・保健所・その他の関係役所の長で開かれる審査会)で公共性と安全性が審査され了承されて、市長の許可が下ります。
許可申請には約半年の時間が掛かりましたが、無事薬局が移転開局することが出来ました。
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