建築家との家づくりの進め方_確認申請@磯村一司
実施設計も終わりに近づいてくると、そろそろ確認申請のことが気になり始めます。
確認申請は、だれが設計しようと必要なことですが、建築家は、夢の住宅のために、こだわりを持ち、時間と知恵をかけて臨んでいます。
確認申請とは、計画している建物を建てるにあたって、その建物が法令にかなっているか確認するように、役所や審査機関に申請することです。
役所や審査機関との協議は、設計の早い段階から始まっています。
都内では、規制が厳しくなっていて、地方都市では、問題とされないことへの指導が多くあります。しかも、行政単位で指導内容が違っていたり、変更もよくあります。その地域独特の規制や条例や協定などが、かかっていることもあります。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、地域によっては、法規の網掛けは、けっこう複雑なことがあります。
さらに、土地を出来るだけ有効活用しようとすれば、法律や条例の上手な利用の仕方も必要ですから、法文への解釈を、審査機関がどのように考えているか、事前にチェックしておかないと、申請してから確認が通らないでは、大変なことになります。
ですから、プレゼンテーションや基本設計段階からの聞取りや協議が必要です。
そんな事前のやり取りを含めて、実施設計は、まとめられています。
申請に必要なものは、確認申請書、建主からの委任状(申請者は建主ですから、設計者は委任を受けて申請します)、その実施設計の図面に、役所や審査機関が必要とする追加図面を加えた設計図、他に計画概要書という書類などとなります。
建物の規模、用途、設備によって、必要な書類や図面は、変わってきますし、その地域に特別な条例がかかっていれば、それへの申請書も必要となります。
それらを取りまとめて、確認申請を提出します。
全体のスケジュールや、建物の規模や構造によって、確認申請を出す時期は、若干異なりますが、多くの場合は、工務店さんに見積をしてもらっている間です。
建築工事を始めるためには、この確認申請がおりている必要がありますから、工事着手するタイミングをにらみ、確認申請がおりるまでの時間を逆算して、申請することになります。
確認申請がおりるまでの時間は、住宅の規模、構造によって変わりますが、事前協議が順調で、木造の規模の大きなものでなければ、1週間程度です。条件によっては2ヶ月などとかかることもあります。
申請の提出先は、かつては役所でしたが、今では民間も受けつけています。
民間の方が、少し申請費はかかりますが、事前協議が柔軟であったり、審査期間が短縮できたりします。
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