建築家との家づくりの進め方_現場監理@磯村一司
工事が始まれば、監理業務をおこないます。
建築家の工事監理とは、設計図面通りに、工事がおこなわれているかを確認し、間違いがあれば、是正を求め、建主への定期的な工事報告を行うことです。
建主の代理として、建主の立場からの監理です。工務店さんが、自身でおこなうのとは違うことが、重要だと思っています。
現場の監理は、だいたい週に1回ペースでおこなわれます。
工事状況の確認とともに、工事についての打合を行います。良い工務店さんであれば、工事の進行に会わせて、次の工事のための図面を提出してきます。工事をするための図面=施工図です。この施工図が設計意図の通りであるかを確認し、違っていれば修正します。
特に、後から簡単に直せないとか、隠れてしまうと確認できなくなる部分は、必要な時期にチェックしていかなければなりません。
木造でも、構造体や基礎工事はとても重要で、仕上がってしまえば隠れてしまう部分です。そのチェックは頻繁にありますが、とても大切です。
最近の当社での基礎配筋検査の様子です。
http://www.guild-design.com/2014/04/06/4156/
こちらは基礎のコンクリート打ちの様子です。生コン車で運ばれてきたコンクリートの品質の確認をして、打設してもらっています。
http://www.guild-design.com/2014/04/09/4197/
建物が上棟すれば、骨組みの寸法、木材をつないでいる金物、釘の種類や打っているピッチまで確認します。
外壁工事や屋根の工事がはじまれば、雨じまいのチェック、内部の下地工事がはじまれば、下地に使う材料や造り方の確認と、現場監理にいけば、すべてがチェック項目です。
すべてを語っていたら紙面が足りません。詳細な現場監理の様子は、当社の最近の現場の様子からご覧下さい。
「猫と暮らす小さな家」
http://www.guild-design.com/category/仕事/猫と暮らす小さな家/
「季節を見おろす家」
http://www.guild-design.com/category/仕事/季節を見おろす家/
「中庭のある小さな平屋」
http://www.guild-design.com/category/仕事/中庭のある小さな平屋/
工事が進む中、建主さんにも、できれば現場に来ていただきたいと思っています。
図面では、わかりにくい広がり感を確認していただいたり、実際の場所での色決めなどに、立ち会っていただければ、建主さんも楽しいのだと思います。
現場での工事期間は、規模や構造によりますが、木造で6ヶ月程度です。現場で実際の空間を確認すると、その間には、建主さんの仕上げに対して変わったりします。
その場合は、建築家がデザイン調整して、現場への変更指示を出していきます。それらの変更を取りまとめていくのも現場での重要な業務となります。
変更によっては、費用が発生しますから、その場合は工務店さんに見積を出していただき、建主に確認をとって進めます。
現場監理では、審査機関や瑕疵保険からの検査が入ります。
瑕疵保険の検査は、主に工務店さんが対応しますが、審査機関での検査は、普通、建築家は施主からの委任を受けていますから、中間検査(必要であれば)や完了検査を申請します。
審査機関の検査を受ける頃には、設計事務所は仕上げ具合の検査を行います。
不具合がある箇所を、工務店さんに直してもらったところで、建主さんに施主検査をしていただき(設計事務所の検査と同時のこともあります)、さらに修正ヶ所があるようでしたら、直してもらいます。
工務店さんからの引渡しをうけ、設計者からの監理報告書を受けていただいて、設計事務所の設計監理が完了します。
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