予算費用を無駄にしないで家を安く建てる方法価格金額

家は安く建てたい

自分が住む家は、自分の暮らしに合わせて設計された間取りと使い勝手で、好みのデザインで建てられることを皆様望んでいます。家に自分を合わせるのではなく、自分の暮らし方に家を合わせて創ることが理想です。

理想の間取りは描けたとしても、家を創るときには様々な条件が関わります。敷地の場所、型、広さ、法律、そして予算です。

家に再現なくお金を掛けられる方などめったに居ません。出来れば少しでも安く済ませたいというのが本音でしょう。けれども安かろう、悪かろうは望まれないでしょう。

家の費用を無駄にしない、少しでも安く済ませる方法はあります。是非家づくりに採用していただき、あなたの理想の家を費用を抑えて建ててください。具体的な方法を以下にご紹介します。

費用を抑える方法

費用を抑えて家を建てる方法は沢山あります。同じ大きさでも下記の方針で行えば無駄な費用は掛かりません。

(1)面積を最小限にする工夫
(2)形をシンプルにするデザイン
(3)部屋数を少なくする理解
(4)コストを抑制する仕上材の選択
(5)登場人物を少なくする仕組み

(1)面積を最小限にする工夫

家の価格は、原則 家の大きさすなわち面積に比例すると思ってください。面積の無駄を省けば、金額も抑えられます。

例えば、各部屋の広さに無駄はないか、必要最小限にならないか、もう一度見直しても良いでしょう。また、廊下などをもっと省くことは出来ないでしょうか?、兼用出来る場所はありませんか?部屋と部屋とを廊下で繋げば、間取りプランの解決にはなりますが、廊下部分の費用は加算されてしまいます。不必要な廊下などは、兼用したり省略することで面積を縮小して、費用を抑える工夫が可能です。

(2)形をシンプルにするデザイン

同じ大きさの家で、作るのに5ヶ月掛かる家と6ヶ月掛かる家、どちらが費用がかかるでしょうか?時間が長くかかるということは、それだけ職方さんの人数も多く、経費もかさみます。同じ大きさの家で工事の長さが変わるということは、短ければ工事が簡単で、長ければ難しいことになります。

つまり、工事が簡単に済むようにすれば、同じ大きさでも、費用は抑えられるということです。

工事が簡単に済むようにするには、家の形をシンプルにすることです。間取りプランや屋根の形を凸凹を出来る限り無くして、明快な形状にすれば、工事の足場を初めとする仮設物の量や職方さん達の手間も少なくなり、工事期間も短くなって、全体として工事費が抑えられます。

(3)部屋数を少なくする理解

建てる家の面積は同じでも、その広い面積を区切ることなく使うか、もしくは間仕切って使うかで、費用が変わってきます。

大部屋で広く使うなら、間仕切壁は要らず、間仕切壁に付く扉も廊下も不要で、必要な照明とエアコンが有れば済みます。

大部屋を、二分割、四分割すると、間仕切壁を立て、扉を設け、廊下が出来て、各部屋にエアコン、照明、コンセントが増えます。

そこで、もし可能ならご理解を頂いて部屋の数を少なくすることです。

(4)コストを抑制する仕上材の選択

家の屋根や外壁、内部の床や壁や天井の材料の個性を理解して、無駄や贅沢をしない選択は常に必要です。

材料に対する理解が充分でなかったために無駄な材料を使用していたり、ご自分の希望以上の費用を支払っている場合もあります。

ご自分が求めている材料の内容や程度を確認して、費用も含めて吟味して材料を選ぶことが重要です。

(5)登場人物を少なくする仕組み

家は様々な人々が関わることで建てられます。家の大きさや内容を変えないで費用を抑えたい場合には、関わる人件費を抑えるしかありません。

人件費を抑えるには、

・工事の種類を少なくする
・社員の少ない会社や工務店に依頼する

ことです。

工事の種類を少なくする工夫は、

お客様と設計者との相談で成り立つことですが、工事の種類が多くなると工事の段取りや順番が複雑になり、単純に工事期間が長くなります。工事の期間が長くなれば当然その分工事現場の経費が増します。関わる人たちの人件費も増します。出来る限りの範囲になりますが、工事の種類を少なくする工夫を設計中に話し合って、お客様の理解が得られれば種類を少なくして費用を抑えることが可能です。

社員の少ない会社や工務店に依頼して、人件費と経費を抑えることは、家は1人もしくは2、3人の設計者と工事の現場を取りまとめる工務店さん(極論すれば社長と現場監督だけで良い)さえ居れば充分に建ちます。様々な役割りのある大きな会社や建設会社に依頼すれば、そちらの会社の皆様の給料、会社経費、宣伝広告費は、お客様の家を建てる費用に加算されます。もし最小限の人数で建てる費用と大きな会社が建てる費用が同じなら、大きな会社が建てる家は材料費用や工事の手間が引き抜かれて建てられている現実があります。

家を建てるための登場人物を少なくする=すなわち、設計事務所と工務店の組み合わせが費用を抑えることが唯一の方法です。

 

坪単価のまやかし

「木造二階建ての家の坪単価は幾らですか?」という質問を良く受けます。質問されている方は、誰に家の相談をしようか迷い中で、少なくとも費用の面で現実的な金額に収まる返事をしてくれる人を探しておられることと推察します。

建築家に尋ねると70~100万円/坪 と答えると思われます。建築家は正直なので、建物の基礎や土台から屋根や外壁までの本体と、水道や電気をはじめとする設備=トイレや風呂、換気やエアコン まで全てを含んだ金額を答えます。

同じ質問を工務店やハウスメーカーに尋ねると、40~50万円/坪 と答えるかもしれません。

尋ねた方はびっくりして、「やっぱり建築家は高い!」と思われて、工務店やハウスメーカーに相談をはじめます。

しかし工務店やハウスメーカーが答えた40~50万円/坪 は、建物の箱としての値段の目安で、照明やコンセント、トイレや風呂やキッチン、換気やエアコンは一切含まれていません。

それでも工務店やハウスメーカーは嘘は言っていませんから相談が進み、契約を結びます。契約が結ばれた後、含まれていない内容が当然必要という話しとなり、結局は建築家がはじめに答えた金額、もしくはそれ以上になるというのが、現実です。

二軒目、三軒目を建てようとする方は、ほとんど設計事務所に相談されます。

 

費用を抑えて建てた家の実例

お客様と建築家が工夫をして、費用を抑えて建てたりつくった実例を紹介します。予算に合わせて工夫をして、お客様の希望を実現するのが設計事務所の役割りのひとつです。

実例1:石彫刻家のアトリエ併用住宅

設計者名(事務所名):北島俊嗣(北島建築設計事務所)

<お客様の要望>

石彫刻の作業と展示が出来るスペースをもつ住宅で、お客様からの要望は以下の通りでした。

・面積は最小限で良い
・風通しを良くする
・雨の日でも窓が開けられる
・リビングで絵画教室を開く
・予算は坪あたり50〜60万円

<建築家からの提案>

・建物のかたちはシンプルなデザインにして、部屋数は少なくした
・工事を依頼する工務店さんを設計段階から依頼して、工務店さんの汎用材料の範囲で組み立てることで、予算を抑えられるようにした
・絵画教室を開くリビングは天井を高くして容積を増やし、多人数の集まりに対応出来るようにした
・天井を高くしたリビングは、展示ギャラリーにも利用出来るようにした
・工事金額は坪当たり単価55万円/坪で建てられました

建物の全面は石彫刻の作業場であり展示スペースになっています

高い天井のリビングは展示ギャラリーにも利用出来ます

絵画教室等の多人数を許容する高い天井のリビングです

建物全体のかたちを造り易い明解な形にして、間仕切を少なくし、材料もお客様のご理解をいただきながら贅沢な材料を省いて、坪単価コストをギリギリまで抑えることが出来た実例です。

実例2:小さな写真室のある家

設計者名(事務所名):高橋正彦(佐賀・高橋設計室)

<お客様の要望>

フルリフォーム済の中古マンションを購入したお客様からの要望は下記の通りでした。

・どの部屋も明るく光が入るようにしたい
・部屋全体を広々とワンルームの空間にしたい
・奥様の仕事である子供の写真を撮るスタジオをつくる
・既存のオープンキッチンの向きを替えて他とは区別したい
・できるだけローコストで限られた予算の中で済ませたい

<建築家からの提案>

・間仕切り壁に木製の嵌め殺し窓をつけて、バルコニーからの光を窓のない奥の部屋まで届くようにした
・壁、天井を白い塗装仕上げとし、光が壁に当たって反射することで明るい室内を実現した
・白い壁は写真撮影の背景としても利用可能
・余分な間仕切りは設けず、全体をワンルーム構成の間取りとした
・間仕切りたい場合のために可動間仕切りを設けた(例、友人や両親が泊まりに来る、家族の誰かが風邪などの病気で寝込む等)
・既存の天井を撤去し天井高を高くすることにより広々とした空間にした
・既存のキッチンの向きは替えずに、キッチンの前に大きなテーブル(約3メートル)を置いて、キッチンとその他をひとつの空間でありながら分けられるようにした
・既存のシステムキッチンが全体の雰囲気と合わないので、扉の面材だけ交換した
・水廻りの移動はせず、既存の設備機器をそのまま使用できるようにした

工事前の様子

工事前のキッチン

お金を掛けてお客様の要望を解決する前に、お客様の本当のご要望と既存建物の状況を良く理解して、お金ではなく建築家のアイデアによる必要最小限のコストでお客様の要望を叶えられた実例です。

最後に

これらの方法は、誰かが我慢をしたり、負債を抱え込んだりしているわけではありません。建て主さんも、工務店さんも納得した上で進められた方法です。

利潤を追い求めるが故に虚偽が横行し、建て主さんの財産が搾取されている現実に「待った」を掛けても理解に至らない私達の微力に反省の毎日です。

費用を抑えて安心安全な家を建てる工夫は、

・建築界の仕組み
・建物の値段の決まり方

を熟知する建築家(設計事務所)だからこそ出来る方法です。

建築家31会では、お客様の家づくりのお手伝いをさせていただいています。

設計事務所というと、

・どこにいるかわからない
・誰を選んで良いかわからない
・とんでもないことをされてしまうのではと心配

そこで、私達の特徴として、31人(組) 経験実績、得意分野、地域が異なる建築家が集まっているので、

・お客様が建築家を選べられる
・お客様に相応しい建築家を推薦出来る
・コンペを行い、複数のアイデアから建築家を選べられる

と、安心して建築家を選んで頂けるようになっています。

どうぞ下の相談フォームへのボタンから、お客様のご相談を建築家31会にお送り下さい。お客様の予算やスピードに合わせて建築家を選んでいただき、希望の家づくりをお手伝いさせていただきます。

著者情報

北島 俊嗣北島 俊嗣

北島 俊嗣 きたじま としつぐ

株式会社北島建築設計事務所

お客様の貴重な財産である土地や建物を第一に守り、 より美しくデザイン性の高い豊かな建築環境を実現しています。

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