傾斜地変形地市街化調整区域に建つ住宅の長所を引き出す建築家のアイデア設計

建築家31会の展示相談会で会場に展示する作品の「傾斜地」に建った住宅の説明です。

設計者本人が会場におりますので、

  • 傾斜地や崖地でお困りの方
  • 傾斜地に建てる家で工夫をされたい方
  • 変形地でお困りの方
  • 市街化調整区域でお困りの方

建築家の意見をぜひ取り取り入れて豊かな住まいを実現してください。

傾斜地で眺望を屋上テラスとリビングで楽しむ3階建て住宅「SkipRoof」(小林武)

小高い丘の西側に傾斜した面にある道路に接した傾斜地の地上3階建て戸建て住宅です。

設計者として最初に計画地を訪れたとき、傾斜した道路から2m以上も窪んで敷地面になっていて、隣りの建物に圧迫されるような感じの敷地の印象がありました。よくよく観察すると以前の建物の地盤の高さは道路の高い部分であった事が伺え、最下階は半地下状になるが最上階やさらにその上の屋上では良好な眺望が得られることが分かりました。

建て主様ははじめリビングを2階にするか、3階にするか悩んでいました。そこでエレベーターを設置する事と、外部リビングである屋上と室内部のリビングが近い位置にある方が、より使いやすい住空間になる事を説明すると、3階にリビングを設けることを決められました。

更に屋上をより豊かにするために、眺望や解放感にワクワクして丘を登るような感覚になってもらうために床に段差を設けた演出を施すことにしました。そして、この屋上をSkip Roof(スキップルーフ)と呼んで、傾斜地に建てたからこそできた眺望を楽しむ屋上に設えることができました。

この床の段差は3階リビングの天井高さを3mにする事が出来て、リビング空間から眼下に望む眺望を室内に取り込む事を可能にしています。

求められた部屋はシューズクローゼット・納戸・書斎・ゲストルーム・シャワー室・主寝室・ ウォークインクローゼット・子供室・リビングダイニングキッチン、そして2台分の駐車場!さらに洗面脱衣室に浴室。収納もたっ ぷり。設計中は限られた面積の中で、これだけの諸室が確保できるか心配にもなりましたが、3階にリビングという間取り計画が 1階、2階の各室においても無理のない、自然な配置にする事が出来ました。 

田園風景に囲まれた平野に残る竹林に覆われた敷地に計画した、木造平屋建て の住宅です。 プライベートプールと、その排出土を利用したマウンドが適度なアンジュレー ションを持った屋外空間を演出します。母屋の大きな開口は 庭の風景と積極 的な繋がりを生み出します。

市街化調整区域に建つ木造店舗「Takao Treedom」(岸井智子)

施主が高尾山保全活動の拠点としている裏高尾のツリーハウスと同じ敷地内に、誰でも気軽に立ち寄れる場所となることを目指し、小さな木造の店舗の建設が現在進行中です。

前面道路から10mほど上った山中に建っており、市街化調整区域のため限られた敷地の中、崖からのセットバックを少なくしながらも基礎を深くせずにすむよう建物配置を検討し、コストダウンをはかっています。地盤改良には敷地へのダメージが少なく、工期とコストに有利なシート工法を採用しました。

地元の皮むき間伐材を構造材、仕上材として使用し、手刻みと人力で組み上げています。

内装は地元の農家から譲り受けた竹と藁をつかった土壁、天井には近くの作業所を借りて手漉きした和紙を貼り、建具もすべて木で制作します。

とても手間のかかる工事ですが、たくさんの人に高尾山の自然を知り愛着を持ってもらう場所となることを目指し、多くのボランティアとともに施主がセルフビルドで工事を行っています。その現場の光景はすでに、人と人、人と自然が、尊敬の念を持ってつながる場所を体現していると感じています。

季節の移り変わりを楽しむ傾斜地に建つ住宅(磯村一司)

敷地は道路が上で、東に向かって4mほど下がる山の中腹にあるひな壇状の傾斜地です。南と北にはお隣が建っています。

眺望のある東には隣の山の尾根筋の緑が市街地へと下っており、敷地の東端からは、市街地越しに富士山を遠望することができます。

この敷地環境の自然と眺望を取り込むような住宅が、施主への一番の提案になると考えた計画です。

道路が敷地の高いところあるので、LDKは玄関階と同じ2階で、敷地東側にはね出すように作っています。

リビングの吹抜のよう高い勾配天井の大きな窓からは、薪ストーブ越しに富士山を眺められるようにデザインしています。長く伸びる煙突がアクセントとなり、リビングのデザインポイントになっています。

ダイニングキッチンからは、東の尾根の緑を眺められます。

バルコニー手すりの壁は、高さを調整して谷側の建物の屋根などを隠しています。キッチンに立っても、季節とともに移り変わる木々と山の変化だけが眼に入ってきます。

ダイニングにはもう一つ窓を用意しました。

テーブルに座ると富士山の見える小窓です。窓を額縁として、奥様の飾り付けとともに可愛らしい富士山を見ることができます。

敷地いっぱいにはね出したバルコニーは、緑の中に浮いているかのようです。そこからの景色は、自然の移ろう四季の素晴らしさだけでなく、あかりの灯った市街地の夜景も格別です。

玄関から続く2階が、住宅としてはパブリックであるLDKですが、1階に降りるとプライベートな寝室やお風呂などのフロアになります。

壁一面本棚のプライベートなファミリールームを用意しました。本棚の奥が子供部屋ですが、ファミリールームにも机があり、お子さんたちが一緒に勉強したり、親と調べ物をしたり、少し散らかっていてもよい、気楽に使えるスペースになっています。

階段1段目にあるスリットは、2階の高天井に溜まった薪ストーブの熱気を吹き出すところです。タクトを使って2階から1階床下まで引っ張ってきています。

駐車場は、インハウスではなく半屋外空間ですが、雨に当たらずに勝手口からパントリーに入れたり、玄関ポーチに入れるように動線を検討してあります。

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