子育てママ目線の家事動線やアイデア

今週のリレーブログを担当する幸田真一です。

家づくりの時のオーダーとして最も尊重しなければならないのが、在宅時間の長いママ達のご意見であるのは間違いないです。
耳を傾けると出てくる出てくる、毎日ルーティーン化している家事を無駄なく効率的にさばくための家事動線や、ちょっとのスペースも無駄にしないちょっとしたアイデアたち。
このアイデアの考え方は個人によって、だいぶ違うのも面白いところです。

今回は設計事例である「玄関土間のある家」での事例をご紹介します。

小さなお子さんが3人いらっしゃる「玄関土間のある家」。
いつも子供中心に考えていらっしゃる笑顔いっぱいのとても優しい奥様との設計のやり取りの中から生まれた細かなアイデアです。

(アイデア1)
子供達が元気に帰ってきてキッチンで作業をするお母さんにただいまーと言えるような玄関土間。子供達の声のトーンで学校で何があったか察しがつく
お父さんも含めてこっそり家に帰ってくることなど到底不可能な家族の顔が見えるオープンなプランニングですが、玄関からはLDKが丸見えにならないように配慮しています。

 

(アイデア2)
土間との床の段差も見逃さない、靴入れ。
普段履く靴はいちいちしまうのは面倒なのでここに収納。扉で隠せることで、急な来客時も整理できます。

 

(アイデア3)
キッチン前のスタディコーナー。これでは宿題が終わらないと遊びに行けません。
キッチン作業をしながら宿題を見たり、おやつや朝食などを対面で簡易に食べたりすることで、日々の何気ない会話が生まれる仕組みです。

 

(アイデア4)
スキップフロアでレベルの違うリビングスペースには、家族の本などを収納するライブラリーコーナーを設置。
子供が幼い時には、一人1列の3人分のおもちゃ置場として利用します。

 

(アイデア5)
比較的大きなキッチンがありますが、コンロの横に絶対に臨時作業スペースをつけたいとのことで設けた折りたたみカウンター。個性的なご要望もオーダー住宅ならでは叶います。

 

(アイデア6)
階段上の無駄なスペースも見逃しません。室内物干しに変化します。

 

(アイデア7)
兄弟3人分の子供室を最初から均等に用意する。
面積的に制限がありながらも、平等に個室を与えたいというママの希望で、ロフトベッドを設えた立体利用で解決しました。

 

(アイデア8)
ひとまずは区切ることなくオープンに利用し、年代に応じて隠し引き戸で仕切れるようになります。

建築家とだからできるアイデアの具現化の実例です。

著者情報

幸田 真一幸田 真一

幸田 真一 こうだ しんいち

幸田真一建築設計事務所

「どのような暮らしをしたいかを考えること」 家づくりで大切なのは、大切な家族とどのような暮らしをしたいかをたくさん想像することです。 降り注ぐ柔らかな光を感じ、微かに感じる風の匂い。庭先の四季の移ろいに癒される、そんな心地よい暮らし方です。 私たちとの家づくりはそのような建主の想いから始まります。その思いが言葉となり、空間となっていく過程は設計を専門職とする私たち建築家とだからこそできる、家づくりです。 明るくて気持ちのよい家。安全で機能的な優しい家。そして、あなたらしい家。私たちは何一つ欠くことなく、あなたの目線と同じになって家づくりを楽しみます。 "あなたにとって良いデザインと良いおもてなしを。"

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