回り階段の階段手摺 @菰田真志+菰田晶
今週のリレーブログ担当の (有)菰田建築設計事務所 菰田真志+菰田晶 です。
今日は階段手摺、特に回り階段の手摺について書いてみます。
階段手摺は、階段の登りやすさを考える場合に非常に重要です。
特に回り階段の場合は、外周につけるか、内側につけるかで大きく使い勝手が違います。
回り階段の場合、無意識に最短距離を登ろうと階段の内側を歩くことが多いのですが、内側は階段の踏面が小さく、もしも踏み外してしまうと最悪の場合数段一気に落ちてしまうこともあります。
外側を通る場合、踏面は大きくなりますが、反面、壁との距離が一定ではないことが多いので手摺が持ちにくいという難点があります。また、段板と手摺の高さをきれいに揃えることが難しく、手摺に一定の力をかけて登ってゆくのには難があります。
使う方の状況などによっても求められる階段手摺の形があり、解決方法も色々な考えがあるとは思いますが、弊社で設計する場合には、階段の内側の手摺を重視して設計しています。
そのポイントは 縦の手摺でつなげる ということです。
登るときも降りるときも、手摺から長い間手を離さずに上り下りできること、これが肝です。
もし縦の手摺が無いとすると、上下の手摺の高さが急に変わるので、数段上がる(下がる)ときに手摺がなくなってしまいます。
縦の手摺があって繋がっていれば、手摺を軸に手を離さずにくるくるっと廻り部分を登ってこられます。
瓜破の家階段手摺
新築の場合にはある程度緩やかな階段だったり、周り部分に工夫することも可能ですが、
特に有効なのは、既存の住宅の階段が急な場合です。
いろいろな問題があって全体に手摺を付けられなくても、
廻りの部分に一本縦手摺をつけるだけでかなり安心感が違います。
上の写真のように段板と一段上の段の段鼻に手摺を固定して、あと一箇所上の方に固定する場所さえ取れれば、
しっかりとした縦手摺が付けられます。(写真の手摺は新築のものですが・・・。)
今、まさにお困りの方がいらっしゃいましたら是非試してみてください。
(有)菰田建築設計事務所
菰田真志(こもだまさし) + 菰田晶(こもだあき)
〒337-0041
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