遮音について2@菰田真志+菰田晶
今週のリレーブログを書かせていただいております、菰田建築設計事務所の菰田真志です。
前回から遮音に関して書かせていただいています。
住まいの遮音を考えるときの 外から中(中から外)への音 ということを考えます。
外から中への音というと、交通騒音や周辺の建物からくる音などを想像します。この場合にはどこで音を遮るかというと、まず建物自体の外壁などが考えられます。
建物自体で遮音する場合に、構造的に有利なのは何と言ってもRC(鉄筋コンクリート)造です。
建物をつくるときに使われる代表的な構造として鉄筋コンクリート造・鉄骨造・木造がありますが、この中で遮音を考えるときに最も有利なのは鉄筋コンクリート造(特に壁構造)です。
建物自体が非常に重いうえに非常に固い(振動しにくい)からです。
遮音の基本事項 固体の振動を抑える→材料の重さ という部分で非常に有利です。
また、地上よりも土で囲われた地下室のほうが遮音するのには有利です。
無限に続く土が音を遮ってくれます。
ピアノ室や本格的なオーディオルームなどを計画するときには、遮音のことをメインに考えるのであれば、可能であれば地上よりも地下室で計画することで大きな効果を得られます。
木造であっても遮音は可能です。
家の直近に幹線道路や軌道が通っているときには、家の外壁面になる壁に対して対策をしましょう。
例えば必ず入れる断熱材をセルロースファイバー等の充填断熱にすることは大きな効果があります。加えて内部の壁下地のプラスターボードを厚い物の二重貼にすることも効果があります。
外壁面に使う材料を、重い物で構成し振動を抑えることで、中へ伝わる音を少なくすることが出来ます。
もう一つ忘れてはならないのが、外壁の開口部・窓です。窓は気密がしっかりしていないと音の出入りが大きくなります。気密のしっかりした窓を設置し、可能なら二重窓にするか、ガラスを重いものにすることも重要です。
ペアガラスの場合には内外のガラスを重いものかつ厚みの違うものにしましょう。内外同じ厚みのペアガラスは間の空気を通じて共振して音が伝わりやすくなります。
厳密に言うと外壁にあいている換気扇や吸気口なども音の侵入口になります。そこまでなかなか対処することは難しいのですが、対処方法もありますので必要なときにはやったほうがより効果的です。
簡単にまとめます
・重い物で外壁をつくる
・窓の遮音性能をあげる。
・外壁にある開口部は極力塞ぐ(気密を高める)
非常に簡単なまとめですが、実は技術的には細かい配慮が必要です。
同じ納まりでも、施工精度によって結果が違ってくる事がありますので、
そこは安心できるプロにおまかせしてください。
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