樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシを適材適所に使い分ける @滝川淳+標由理
今日はサッシについてのお話。
サッシとは数年前まではアルミサッシを意味していました。ここ数年で樹脂サッシの価格破壊ともいえる普及が進んだため、断熱性能が高く、しかも価格がある程度入手しやすくなりました。今は樹脂サッシで計画するのが正しい選択と考えます。断熱性を少しでも考えるのであれば、アルミサッシはもう古いと言えるでしょう。
とはいえ樹脂サッシがセレクトしやすくなったのは木造の住宅の場合だけ。コンクリート造や鉄骨造用のサッシはまだまだアルミサッシが主流です。木造用のサッシはビスをもんでサッシの枠と躯体を固定しますが、コンクリートや鉄骨の場合は鉄の「溶接」が必要なため、熱に弱い樹脂はまだ開発が進んでいないのでしょう。
また樹脂とアルミとでは素材自体の強度としてはアルミの方が高いため、樹脂で同じ強度を持たせようとすると、可動部分の障子というガラスを支える枠が大きくなって、ガラス面が小さくなってしまうという難点もあります。そういった見た目を気にされる方もいます。
他にも樹脂サッシではヨコに数枚のサッシが連続する連窓や、タテに連続する段窓を計画して大きな開口部をつくろうとしても、選択肢が限られてきます。自由度がまだまだアルミサッシには及ばない、ということですね。
三角形や台形の窓、吹抜けに面した大きな窓を設ける場合は、外側はアルミ・内部は樹脂の複合サッシのみが選択しになります。
そこで、樹脂サッシを基本としながら、ひとつの家でも設置場所や実現したい開口部の大きさなどによってサッシの種類を適宜選択しています。
ツラナルノイエの場合は中庭に面した部分に多くのサッシがあり、中庭越しの光を家の中に取り入れています。結果、同じ面積の住まいより枚数の多いサッシが必要とされました。長期優良住宅の認定を確保するため、ある程度高い断熱性能のサッシを採用することが条件となっていたので、多くのサッシを樹脂としています。一方、中庭に面するサッシは少しでも明るさを室内に取り入れたい、という意向から枠が小さくなる樹脂とアルミを合体させた複合サッシを採用しました。写真にある左側の壁面は樹脂サッシ、右側の壁面はアルミ樹脂複合を使い分けています。一見するとわからないですね。
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調布市で工事中の「武蔵野の雑木林を借景にする木の家&エコハウス」は木造2階建て軸組工法、延べ床面積約30坪、長期優良住宅認定の住まいです。太陽熱を利用して200㍑のお湯をつくりお風呂、キッチン、洗面のお湯に利用するエコロジーな住まいになっています。 無垢のクリと杉のフローリング、左官の薩摩霧島壁、沖縄の月桃紙、天井のくりこま杉など自然素材でできた温かく気持ちのよい空間の雰囲気をご自身の目と心で体感してください。 家づくりを計画中の方のご参加をお待ちしています。 ...