糖尿病内科医院クリニックの間取りプラン平面図
横浜市旭区の二俣川駅至近で開院した「いのうえ内科・糖尿病内科クリニック」様の開業計画で、入居するテナント部分の制約を受けながら、医師先生の診療方針を満足するために医院の内装間取りプランは沢山の検討を積み重ねられて定められました。
既存のテナントの確認をする
はじめに、開院候補場所が内科と糖尿病科の医院に適しているかの確かめを行いました。現地に参り、候補物件を管理している会社様にご案内をいただいて内見をして、確かめた内容は、
- 患者様用の出入口の床の段差の有無
- 患者様用の玄関扉の開き勝手
- 外部看板の場所と大きさ
- 内装の天井の高さ寸法
- 水廻り設備と給水管・排水管の位置
- 内装の状況(継続利用できるかどうか)
- 電源容量
- エアコンの室外機置場
などです。
患者様用の出入口の床の段差の有無
患者様用の出入口の周囲の床に段差が有るか無いかを確かめます。段差が有る場合は、お年寄りや車椅子で来られる方々の出入りに支障が生じることになるからです。
内見した場所では、患者様用の出入口の手前に改良が困難な大きな段差がありました。ただし、別の部分に段差のない勝手口のような出入り口がもう一つあって、こちらでお年寄りや足元の不自由な方、車椅子の患者様をご案内できることを確かめました。
患者様用の玄関扉の開き勝手
患者様用の玄関扉の形(開き勝手)が医師先生の診療方針や患者様への想いが沿っていれば良いのですが、医師先生の想いと異なる場合は、扉を取り替える必要があります。扉を交換することは建物所有者様の許可が必要で、交換には多額な費用が掛かるからです。
玄関扉の開き勝手で確かめる内容は、
- 開き扉か引き戸か
- 手動か自動か
- ガラス戸か板戸か
などです。
玄関扉はガラスの入った手動の両開き扉で、電動の防犯用シャッターが室内側に取り付けられているものでした。
内装の天井の高さ寸法
内部の天井高さ(床から天井までの高さ)はこれから造る内装に大きく影響するので、現地を実測して確かめます。
天井高さとともに確かめるのは、
- クリニック全体が広く見えるかどうかの印象
- 天井板より上の部分(天井フトコロ)に設けられる設備器具の設置方法
- 床下に配管が必要となる場合の床下地の組み立て方法
などで、高い方が有効と考えています。

靴を履き替えない(下足のまま)で患者様が出入りするときは、天井高さが2.5メートル以上あると、広さを感じると思います。
確かめた天井高さは2.6メートルありましたので、広い内装を実現できると考えました。
水廻り設備と給水管・排水管の位置
衛生設備器具のトイレ大便器や消毒台シンクで使用され連結される給水管と排水管は、床下や背面壁面内に隠蔽設置されます。
内装工事ではこれらを配管する場所に従って間取りプランが制約を受け、床を上げたり壁を厚くしたりと工夫が必要になるので、給水管と排水管が出る場所については慎重に確かめます。
床下に給水管や排水管を設ける場合は、床下の配管空間を確保する必要が出る場合があります。
それは、
- 床高さが高くなって天井の高さが低くなる
- 床高さが高くなって床の段差が必要になる
- 床の下地組みをやり直さなければならなくなる
と、内装空間や工事に影響が出る場合があります。
確かめると、トイレが2ヶ所、ミニキッチンが1ヶ所あり、床下配管空間が十分にあることを確かめました。
内装の状況(継続利用できるかどうか)
内装工事の場所が、直ぐにも業務利用が開始できるように床壁天井が出来上がっている場合と、床壁天井が無くてスケルトン状態の場合があります。
医師先生のご希望は、可能な限り既存の内装材を継続利用することでした。継続利用できれば工事費用を抑えることが出来るので、ご希望のひとつでした。
今回調査した場所は、床壁天井が出来上がっている状態でした。天井の下地組みと天井表面材、四方の壁面クロス仕上げ、床下地組みをそのまま継続利用できることを確かめました。
候補場所の現地確認を行った結果、内科および糖尿病内科の内装工事を行うのに制約支障となってしまうようなものはありませんでした。そこで医師先生に内容を報告しました。
そこで医師先生は、こちらでクリニックを開院することを決められました。
医師先生の診療方針とご希望と条件を整理する
内装を行う場所が、制約が少ないことを確かめたので、間取りプランを作成して実際に理想のクリニックになれるかどうかを確かめることにされました。
間取りプランを作成する前に、医師先生に間取りプランに関わる診療方針と各諸室の数と広さ、そして各室がどのように関係することが良いかなどをお聞きしました。
- 必要な部屋
- 部屋の数と広さ
- 診療の流れと各室と室とのつながり
また、間取りプランの制約・条件として、既存の水廻り設備器具=トイレとミニキッチンを継続利用することとされました。

条件を踏まえて間取りプランを作成する
医師先生の診療方針による必要諸室と既存の室内に有る制約(トイレとミニキッチンを動かさない)という条件が明らかになり、間取りプランを検討し作成しました。
医師先生は上記の間取りをご覧になって、
- 医院の諸室は確保できることが分かったので、この場所で開院する
- 既存のトイレは一旦解体し間取りプランをより良くする
と、定められました。
条件を変えて間取りプランを修正する
トイレ(患者様用とスタッフ用)の位置が自由に定められることになったので、間取りプランは医師先生の理想的な動線が確保出来たようです。
間取りプランが定まったところで、設計は詳細な部分を定める段階に入りました。
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