住まいに広がり(開放感)を生み出す方法 その2 @石井正博+近藤民子

二日目の「住まいに広がり(開放感)を生み出す方法」は、縦や斜め方向の広がりを生み出す、
2.吹き抜け3.断面の工夫です。

2.吹き抜け
吹き抜けは住まいに広がり(開放感)を生み出す方法の代表的なものです。頭の上が押えられた感覚が弱まるので、室内から空の下へ飛び出したような開放感があり気持ちの良いものです。

nd〜ldkphoto:Yusukawa Chiaki
写真は「仲のいい家族の一体感や繋がりを大切にしたい」という希望から、LDKのリビング部分を吹き抜けとし、その吹き抜けに面して2つの子供室を左右対象に配置した住まいです。吹き抜けとの間の手すりは、落下防止機能を持ちながらできるだけ視線を遮らない、透明の手すりにしています。また、子供室を独立させることもできるように、6枚の障子状建具を壁に隠して設けています。この住まいは7年前に完成したものですが、最後に、建て主の方から最近届いた便りを紹介しておきます。>>『家族が楽しい家』

「息子は高校2年、娘は中学2年です。
最近では息子の部屋側の障子はほぼクローズの状態、
ただし声や物音は聞こえるので、
気配は分かるといった隔て具合が丁度よいと思っています。」


3.断面の工夫
条件が厳しい敷地でも、断面を工夫することで、床面積では測ることができない広がりを生み出すことができます。

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図は、3階建て住宅の断面構成で、2階に設けたリビングと、3階のオープンスペースがズレをともなった斜めの関係で繋がり、南側の高窓(ハイサイドライト)や北側の天窓(トップライト)から採光する考え方を現わしています。

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photo:Yusukawa Chiaki
この住宅は、近隣との関係から水平方向よりも斜め方向の広がりを重視しています。テレビカウンターに向かってソファの置かれるリビング(手前)と、3階の家族みんなが使うデスク付きのオープンスペース(右上)が、斜めの関係で向かい合うことで、適度な距離感を保ちながら、各人がそれぞれの作業に集中することもできる空間を意図しています。外部に中庭やデッキテラスを設けることができない、視線の抜ける方向がない、床面積が限られる等の場合でも、断面を工夫する事によって、奥行き感のある広がりを生み出すことができます。
>>『神楽坂の家』

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著者情報

石井 正博 + 近藤 民子石井 正博 + 近藤 民子

石井 正博 + 近藤 民子 いしいまさひろ こんどうたみこ

設計事務所アーキプレイス

「敷地とライフスタイルを活かした家づくり」をテーマに、暮らしやすさ(温熱環境・家事動線・収納計画など)、デザイン、コストのバランスのとれた質の高い家づくりを建て主の方と一緒にめざします。

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この度、設計事務所アーキプレイスで設計監理しました『回遊動線のあるつくばの家』(木造2階建)が竣工間近となり、建て主様のご厚意によりオープンハウスを開催させていただくことになりました。 つくば市の新旧入り交じる住宅街に建つ、3人家族のための住宅です。 リモートワークが広まり家で過ごす時間が長くなる中、ご夫婦それぞれの仕事場でもある住まいには、より快適に暮らしていけるよう、ゴロンとできる和室、本棚のあるヌック、子供と遊べる南の庭などの場所をちりばめています。 オープンハウス(完成見学会)...