木造住宅の外壁修繕(10年点検)とその費用 @菰田真志+菰田晶
今週のリレーブログ担当の菰田(こもだ)建築設計事務所の菰田真志です。
今回は木造住宅の外壁修繕(10年点検)とその費用に関して書いてみたいと思います。
建物を建てて年月が経ってくると、いろいろな部分で修繕が必要になってきます。
例えば、外壁周りの汚れ、劣化対策での塗替えやシーリング部分等は、だいたい10年を目安に点検して、改修を行うことを考え始める時期になります。
また、瑕疵担保保険の期限という観点でも10年を前に雨漏りの有無なども一緒にチェックをするタイミングとして10年というのはよい機会になると思います。
実際に最近の例をあげて話をしてみようと思います。
この住宅は、我々が独立後初めて手掛けた新築の住宅です。
カドノイエ
外壁改修前の写真
竣工は2010年。竣工後5年目と10年目の2020年に点検をしてしたのですが、緊急で修繕を行う箇所が見当たらなかったので、施主の予定等も鑑みて今年やることになっていました。
まず、建設時に建ててもらった建設会社に外壁のチェックをしてもらい、工事内容の確認と見積を出してもらいました。
そのなかで、足場をかけて行う作業を重点的に行うこととし、手の届く範囲で緊急でない部分や効果の薄い部分などを除外して、今回は下記の内容を行うことにしました。
・外壁の再塗装
・スチール製の格子の塗装
・外壁に取り付くものの清掃とシーリング処理
今回はほとんど外壁にヒビ等が入っていなかったので、ヒビに対する補修等は必要ありませんでしたが、場合によってはどういった補修も必要になることがあります。
上記の工事を行う上で必要となった見積項目は下記になります。
・外部足場(足場・塗装の飛散防止養生シート・足場掛けおろし・運搬等)
・外壁洗浄(塗装前の汚れ落としのための高圧洗浄)
・外壁塗装(下地シーラーの後上塗り/ローラー塗装)
・面格子再塗装
・フード周り雑シーリング
・養生清掃費(建物周辺の施工時の養生・清掃)
・道路占有許可申請料
・現場管理費・会社経費
外壁の再塗装と一言で言っても付属して細かい準備が必要になります。
既存の外壁仕上はラスモルタルの上に吹付塗装です。
今回の改修にあたって既存塗装の上から再度塗装を掛けられるものを数種類選び、更にサンプルを見て仕上がり感のチェックと、足場のかかった状態を想像してローラー施工を行えるものを選びました。
(都市部の建物で周囲に広い空間が無いため、吹付施工は難しいという判断をしました。また、隣地がコインパーキングということもあり、吹付は万が一周囲への飛散を考慮しました。)
費用感
ざっとした今回の工事の費用感を記載しておきます。
※建物形状や大きさ、工事の時期等によって変わりますので参考程度としてください。総額は記載せず単価(税別)に変換してあります。
足場工事 1500/m2 ※養生シート・運搬等込
高圧洗浄 300/m2
外壁塗装 2500/m2 ※下地シーラー込
雑塗装・シーリング 約10万
養生・清掃等 約10万
以下工事写真の一部を紹介します。
足場で養生をした後、高圧洗浄をします。
都市部ということもあり、けっこう汚れもついています。
面格子の再塗装
外壁の塗装前に仕上げてゆきます。
外壁塗装終了
ぴかっとキレイになりました。
外壁の基礎巾木部分のタイルへの撥水剤塗布
(有)菰田建築設計事務所 菰田真志
http://www.archi-komo.co.jp/
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