見直しの住居学01(新しい続き間のすすめ) @栗原守+小泉拓也

今週ブログを担当することになりました@栗原守です。住まいの設計をして25年になります。その間、設計をしながら住まいについて考えていることをこのブログで発信することにしました。これからの住まいづくりの参考にしていただけたら嬉しい限りです。

初日の今日は昔から日本の家にある「続き間」のお話です。

昔の住まいでは、続き間といって和室2間を連続して配置して、祝事や法事など、来客の多いときに仕切りの建具を取り払い大きなワンルームとして使うということがよく行われていました。

しかし現在では、祝事にしても仏事にしても、町の専門の施設を利用して簡単にできるようになっています。だから多人数の来客に備えて続き間をつくる必要はないようです。もっと積極的にこの続き間の良さを生かす工夫があってもよいと思っています。

たとえば、和と洋の続き間。
家族が毎日使うリビングに続けて畳のスペースを用意し、障子などで仕切るようにすます。障子は引き込みにして、使わないときは壁の中に納めておくようにします。こうすると障子の出し入れひとつで、リビング全体を広くも狭くも使うことができます。不意のお客様にも柔軟に対応できるだけでなく、住まいの雰囲気を和と洋に変えて楽しむこともできます。畳のほうの部屋の床を少し上げて、そこを腰掛け替わりにするもよし、堀りこたつやちょっとした床柱風の柱を計画したりすれば、落ち着いた雰囲気の和室兼客間にもなります。

タテの続き間というケースもあります。
敷地が狭くて限られたスペースで住宅を計画する場合に、住まいに光や風を取り入れたり、空間をのびやかに演出する一つの方法として吹き抜けをよく計画します。この吹き抜けは、考えようによってはタテの続き間と言えます。玄関と2階廊下、居間と2階の階段ホール、リビングと書斎や趣味の部屋、子供室と屋根裏部屋などを各々の視線がまじわるように計画すれば視覚的なタテの続き間となり、住まいの中にゆとりが生まれます。上下の階が空間的に結ばれることにより風通しのよい明るい住まいにもなります。

さらに、外部との続き間も考えられます。
リビングの外に木の板でデッキをつくり、外のリビングのように計画すれば、休日のブランチの場所になるし、日曜大工も楽しくできます。子供たちの花火やプール遊びの場にもなります。この場合大切なのはリビングとデッキの床の高さを同じにすることです。こうすると内のリビング外のリビングという続き間の良さが生きてきます。さらにデッキのスペースを外壁で囲み込んだり、植栽を施したり、バーベキューのコーナーを作ったりすれば工夫次第で、楽しい夢のある続き間になるはずです。

昔の日本の家の続き間のよい点を積極的に採り入れて現代の新しい続き間を工夫すれば住まいはもっと楽しくなると思います。
kitami[1]
4.5畳のダイニング(向こう側)と4.5畳の畳のリビング(手前側)の続き間の例です。小さな空間ですが障子の開け閉めで広くも狭くも工夫次第で楽しく暮らせます。

>>栗原 守+小泉 拓也/一級建築士事務所 光設計 建築家31会のページ
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著者情報

栗原 守 + 小泉 拓也栗原 守 + 小泉 拓也

栗原 守 + 小泉 拓也 くりはらまもる こいずみたくや

一級建築士事務所 光設計

「呼吸する住まい」をテーマに自然素材と自然エネルギーを有効に利用するエコロジーな住まいを建築主さんと2人3脚で設計しています。

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