『間取りの模範解答』リビングがもう一つあって嬉しい住まい @古川達也

建築家31会の新刊『間取りの模範解答』p23に、古川達也の設計した個人住宅「2つのテラスをもつ家」の間取りが掲載されています。誌面では伝えきれなかった解説や完成写真などを加えて、この住まいの魅力をご紹介します。
「気づいたら、いつも叱ってばかりいる」。子育て世代の親御さんに共通する悩みかもしれません。叱る理由はきっと様々ですが「片づけなさい!」が結構上位にランクされるように思います。この悩みを解決するには「子供が片づけなくてもいい場所をあらかじめつくっておく」というのも一案で、この住まいでは「子供リビング」と名付けたセカンドリビングとして、リビングがもう一つある形で実現しました。1階リビングの上に2階の子供リビングが浮いているような構成で、吹抜けを介して繋がっています。
設計のスタート時から施主ご夫妻が設けたいとお話しされていた「子供リビング」。3人の子供たちそれぞれの個室は寝ることが出来れば最小限でいい(小さいときは無くてもいい)。でも、子供たちの共有スペースとして互いに相談しながら自由に遊べたり勉強できたり、工作したり友達を呼んだりできる場所があると嬉しい。片付けも子供たちに任せ自分たちのペースで行えて、親の理屈で片づけなくてもいい場所を設けてあげたい。そういう親心に設計者である私も大変共感した背景があります。コロナ禍で竣工して数年ですが、おそらく子供たちの自主性が自然に育まれているように感じています。
リビングが2つある住まいですが、実は屋外テラスが2つあることも魅力です。隣りに住むご主人の両親や、ご夫妻のお知り合いなど急な来客も多いご家族。例えば1階リビングの延長として楽しめるデッキテラスに、洗濯物が干してあるとその都度片付けたり移動したり気を使います。この住まいでは、水回りに近いところで物干し専用の屋外テラスをもう一つ設けることで、家事が楽になるだけでなく、いつでも気兼ねなく来客を招くことができる心地良さがあります。
※合わせてご覧ください → 笑顔になる住まいは、子供がのびのび育つ家

1階リビングの上に浮かぶ2階セカンドリビング(子供リビング)

『間取りの模範解答』p23「2つのテラスをもつ家」間取り

リビングと連続するデッキテラス

デッキテラスと分けて設けた物干しテラス
撮影:塚本浩史 他
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