「間取りの模範解答」特別なこだわりのある部屋は一室だけ離れにしよう。
建築家31会の新刊「間取りの模範回答」P118,119に、トレス建築事務所の設計した「離れのある住宅」の間取りが掲載されています。誌面では伝えきれなかったことなど写真とともに解説します。

P119より引用
オーナーのご夫婦は新婚旅行で行ったバリ島で滞在したホテルが忘れられず、そのデザインを日常でも体験したいとの依頼がありました。

建物全体をバリ風にデザインすることも頭によぎりましたが、彼らの体験は、日本から遠く離れた異国で、時間の流れも違う心の癒しを感じたことから来るもので、この「非日常体験」というスパイスがあってこそのものではないかという考えにたどり着き設計に取り入ることとしました。
敷地は間口に対し奥行きがあり、私たちはこの特性を生かし、生活空間と癒し空間に距離を置く「ハナレ」を作り出そうと考えました。
ハナレは本体から切り離すことで異世界、異空間といった「非日常」を作り込むことができますが、大事なのはそこに至るアプローチであると私たちは考えています。逆にいうと建物が物理的に離れていなくてもアプローチ空間によってハナレが作り出せるとも言えます。

ハナレの主寝室

アプローチ空間
この住宅ではリビングからは普段からデッキテラスを通して、ハナレを目にする位置関係になっていますが、アプローチ空間に特別な演出を施すことで、ハナレまでの期待感と日常からの距離感を生み出しています。

ハナレの主寝室
こういった演出によってハナレ空間は、特別なデザイン”バリ風”としても違和感がなくなり、かつ「非日常」を感じてもらいやすくなります。壁には珪藻土を使用したり、床材も熱帯系の樹種を採用し、ベッドも通常よりも脚を高くし、振り切ったデザインとしました。
ちなみにハナレ以外の本体はデザインとしてはそれほど”バリ風”に寄せてはいないですが、玄関に踏み石を採用したり、浴室を一番日当たりの良い2階南側に位置したりすることでリゾートをほんの少し感じてもらうようにしています。

2階浴室

玄関ホール
機能的でシンプルな間取りの中にリゾート感をちりばめたり、思い切った「ハナレ」によってより深くリゾートに浸ることで、結果的にメリハリの効いた間取りが出来上がりました。
− 最新イベント情報 −
2月28日(土)住まいの「なかみ」構造見学会のお知らせ @小泉拓也+栗原守
どんなふうにできあがっていくのか、どうやってつくられているのか…住まいの“なかみ”とは、出来上がった時には隠れてしまうところ。見る機会の少ない工事途中を見ていただくものです。 無垢の柱や梁などの構造材、Baubioとセルロースファイバーの断熱材、通気の工夫などの“なかみ”を実際に見ていただきながら詳しく説明をします。光設計の「呼吸する住まい」の“なかみ”を見ることができるいい機会ですので、是非ご参加ください。 会場:杉並区荻窪 「スロープ玄関の小さな木の家」 ...


