『間取りの模範解答』室内にアウトドアを引き込む土間+スノコのセンター配置 @菰田真志+菰田晶
2025年8月5日に出版された、建築家31会の新刊『間取りの模範解答:心地よい住まいをつくる建築家の視点』に、菰田建築設計事務所の設計監理した住宅『太田窪の家』が掲載されています。
今回は、誌面では伝えきれなかった完成写真や図面を交えて、この住まいの魅力を詳しくご紹介します。

「趣味の自転車を家の中に保管したい」「メンテナンスなどもできたらいい」という希望が最初からあった建主さん。プランをしてゆく中で土間を配置することを考えていました。いろいろな案を考える中で単なる土間ではなく、敷地のマイナス面を補うことと土間を組み合わせることでこの家の方向が決まりました。
その解決方法というのが家の東西を貫く土間とその上に重なるスノコ床です。

幅1.8mの土間が玄関扉から繋がっています。
土間には自転車のラック。スノボのメンテなんかも出来ます。
将来子供部屋にする予定のオープンスペース。
手前には土足で使う納戸。げた箱や車のタイヤなんかも保管できます。
左手には主寝室の扉。
突き当りには大きな開口とその前の螺旋階段。
そして二階の床を兼ねる天井はスノコ床(インナーバルコニーと呼んでいます)。
通常、玄関入ると上り框があって靴を脱いでという動線ですが、この家では明確な靴脱ぎのラインがありません。
強いて言えば螺旋階段の1段目が広めに取ってあるのでそこ・・・とも言えます。
写真で判るように土間にラグを敷いてそこを上り框の代わりにしているのがわかります。
これは建主さんの工夫です。
土間を作ることで「敷地のマイナス面を補う」と書きましたが理由はこうです。
この家の敷地は北側が道路付で南側の隣地には境界間近に家が建っています。東西は比較的解放され今後状況があまり変わらないとおもわれました。この敷地で南側を空けて建物を配置しても、たぶんほぼ日の当たらない庭にしかならなかったでしょう。そう考えた結果が今後も状況が良さそうな東西方向のから陽の光を入れるための土間配置でした。
一階の南側の光は諦めて東西から。二階は南面のハイサイドと東西から取る計画です。
写真は東側を向いて撮った写真ですが、西側も同じ形の二回まで続く大開口があります。
土間(と後術の二階のインナーバルコニー)を使って東西の良い環境を取り入れると言うのがこのプランの決め手でした。
その考えを邪魔しない階段ということで、限りなくガラス面を塞がない螺旋階段を設置しています。

その螺旋階段を登るとインナーバルコニーにでます。


このインナーバルコニーはハイサイド窓から取込んだ光を一階に落とすことを目的にしています。
同時に上下階のつながりと通風を確保する装置にもなっています。
吹抜を作る案もあったのですが、ただ吹き抜けても床としては使えない場所になってしまうので、思い切ってスノコ床にして提案しました。この案を見て「いやーこれは・・・・」と建主さんが言ったらこの案は無いねという話をしながら提案した記憶がありますが、思った以上に盛り上がってこの案でゆくことになったのをよく覚えています。
一階の窓とバルコニーに出る小屋裏のドアを開けると上下階で空気が入れ替わって、自然に空気の対流が生まれます。
また、冬場も土間に置いたストーブとサーキュレーターで室内全体が暖房できて、天気の良い日は日中の暖房もあまり使わないで暮らせるという環境が作れました。
外部を取り込んだ土間とスノコ床を作ることで、望んだ使い勝手も室内環境も両方満たす家になりました。
(有)菰田建築設計事務所
HP:http://www.archi-komo.co.jp
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