日々是好日 @磯村一司
ひとつ前にお話しした建築の素材の話では、コンクリートの事例をみていただきましたが、今回は、コンクリートの硬質感とか人工的という感じではなく、素材としてはナチュラルな、やさしい、暖かみがある、肌触りが良いものを望まれた建主さんの事例です。
写真を見比べていただいても、まったく違うデザインで、同じ設計事務所とは思っていただけないかもしれませんが、我々としては、設計を通して大切していることを何も変えてはいません。
建主の住まい方や好みを大切に考え、場所、空間をどうつなぎ、何処で切り、陽射しをどうやって取込み、風の流れはどう作るか、開口部のプロポーションは美しいか、その素材のボリューム感は活かしている、さらには構造や断熱のために、この場合はどの構法の選択が適切か、と、デザインのためのテーマは常に変わりません。
コンクリート打放しの建物の建主さんは、コンクリート打放しが大好きだからとおっしゃったのに、この写真の建主さんは、バリが大好きだから、バリに行かなくてもいいような住まいが欲しいとおっしゃったのが、大きな違いです。
もちろん、素材が変わることはけっこう難しいことで、時間をかけて吟味することは大変なことです。でもそこに醍醐味もあると思っています。
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「江戸Styleの家」オープンハウスのお知らせ 2024 年11月30日(土) @小泉拓也+栗原守
「江戸Styleの家」オープンハウスを11月30日(土)に開催します。2005年7月に竣工した自邸兼モデルハウスです。約19年が経過していますので、無垢の木などの自然素材が時間の経過とともに美しく変化(経年美化)している様子を確認することもできます。自然素材の小振りな住まい、あたたかく気持ちのよい和モダンな住まいの雰囲気をご自身の目と心で体感してください。 *「江戸Styleの家」はエコの取り組みでグッドデザイン賞を受賞しました。 *2021年12月「渡辺篤史の建物探訪」、「突撃!隣...