日々是好日 @磯村一司

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ひとつ前にお話しした建築の素材の話では、コンクリートの事例をみていただきましたが、今回は、コンクリートの硬質感とか人工的という感じではなく、素材としてはナチュラルな、やさしい、暖かみがある、肌触りが良いものを望まれた建主さんの事例です。
写真を見比べていただいても、まったく違うデザインで、同じ設計事務所とは思っていただけないかもしれませんが、我々としては、設計を通して大切していることを何も変えてはいません。
建主の住まい方や好みを大切に考え、場所、空間をどうつなぎ、何処で切り、陽射しをどうやって取込み、風の流れはどう作るか、開口部のプロポーションは美しいか、その素材のボリューム感は活かしている、さらには構造や断熱のために、この場合はどの構法の選択が適切か、と、デザインのためのテーマは常に変わりません。

コンクリート打放しの建物の建主さんは、コンクリート打放しが大好きだからとおっしゃったのに、この写真の建主さんは、バリが大好きだから、バリに行かなくてもいいような住まいが欲しいとおっしゃったのが、大きな違いです。
もちろん、素材が変わることはけっこう難しいことで、時間をかけて吟味することは大変なことです。でもそこに醍醐味もあると思っています。

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磯村一司+政本邦彦
ギルド・デザイン一級建築士事務所

著者情報

磯村 一司 + 政本 邦彦磯村 一司 + 政本 邦彦

磯村 一司 + 政本 邦彦 いそむらかずし まさもとくにひこ

株式会社ギルド・デザイン
一級建築士事務所

風や光、素材の扱い方、住宅としての生活のしやすさ、それらをバランスよく、シンプルでさわやかで心地よい、その上で、建主さんの考える一つ先のデザインを提案します。

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2025年9月20日(土)「自然素材の平屋の木の家」完成現場見学会のお知らせ  @小泉拓也+栗原守

中野区の「自然素材の平屋の木の家」は平屋の約33坪の住まいです。建築主さまのご厚意により2025年9/20(土)完成現場見学会を開催させていただくことになりました。リビングダイニングとつながる大きなデッキテラスで内と外の暮らしを楽しむことができる平屋の木の家です。 無垢の木や左官の薩摩中霧島壁、沖縄の月桃紙、天井のくりこま杉などの自然素材でできた温かく気持ちのよい空間の雰囲気をご自身の目と心で体感してください。 家づくりを検討中の方のご参加をお待ちしています。時間指定で3組限定の見学...