外壁に雨が入ると2 @菰田真志+菰田晶

有限会社 菰田建築設計事務所の菰田真志です。

前回はちらっと予告写真で終わりましたが今回から本番です。

外壁のタイルを剥がし始めてわかったことは、タイルの下地の方法に問題があるということです。
建物が古いので、タイルはモルタル貼。目地もモルタル目地です。
これは別に珍しいことではなく、最近は接着貼が主流ですが昔はモルタル貼が普通でした。
モルタル貼の場合にはタイルの裏のデコボコ(裏足といいます)とモルタルが絡み合って落下防止になります。

ではタイルの下地は何だっったかというと、金属板に一定間隔で切り目を入れて凹凸をつくったタイル下地用の素材です。
これもモルタルと絡んで落下防止という意味ではよく考えられています。

その下には防水紙が貼ってあり、その下にはケイカル板。その下が2x4の躯体にあたる合板です。


タイルの下側のグレーのものが金属製のタイル下地。
その下にケイカル板が見えています。

ここまでの間で何が問題だったかというと、タイル下地の金属板の取り付けが釘打ちだったことです。
釘でただ打ちつけたことで、金属板の下の防水紙は穴だらけ・・・。
しかもモルタル目地やタイルを貼るのに使ったモルタルは基本的に止水性能の無い水を吸う材料です。
海岸線に近い強風の吹き付ける南側の外壁は、長年の間に少しずつ水を吸い込んで行き、穴の空いた防水紙を通り抜けて2x4の構造体である合板を痛めました。
濡れることと乾燥すること、濡れた部分が日射で蒸されることを繰り返した結果がこうです。

合板のラミナが剥がれてしまい、無残な姿になっています。

モロモロになっていて、指でつつくとぼろぼろ落ちてしまう状態です。
この写真の部分はもっともひどい部分で簡単に穴があいてしまう状態でしたが、ここまでではないにしろ、他にも合板の表面がぼろぼろになっているヶ所がけっこうありました。


軒の板金周辺からの浸水した部分

水に濡れなかった場所は綺麗なままなのが対比でよくわかります。
もちろん合板は交換です。
内部の断熱材も新しいものと替えました。


はがした合板

白い部分は腐朽菌がついている場所。
板の姿をしていますが、構造壁を構成する材料としては機能しなくなっています。


傷んだ合板をはがすと、2x4のフレーム材もやられています。

こういった材料も新しい材料を沿わして補強したり交換したりと全面的に修繕しました。
やはり風の強い南側や窓まわりなどが多くやられていました。
日や風の当たらない北側は意外と大丈夫でした。

2x4の構造は基本的に壁構造ですので、躯体の合板の面剛性が失われると極端に建物強度が失われます。
在来工法も合板で構造壁を作る場合には同じことになります。
合板の構造壁が悪いのではなく、水が入らないようにしておくことの大切さをあらためて痛感しました。

有限会社 菰田建築設計事務所 菰田真志+菰田晶
HP http://www.archi-komo.co.jp/

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