8月5日午前:「南浦和の改装」竣工写真と動画撮影
築28年ほどのマンションの一室(78㎡)をご息女の独立を期に、夫婦2人と時々帰省するご息女のために、水回りを含めてフルリノベーションしました。
本日は竣工写真の撮影と建築家紹介サイトのインスタグラム用動画の撮影を同日に行い、その立ち合いです。
入居後に気がついた不具合、残工事や是正工事についても合わせて確認します。
料理が趣味であるご夫婦のため、特注のオープンな対面キッチンを中心に、新しいライフスタイルに合わせた時々のシーンに応じて可変するひとづづきのオープンな間取りを提案しました。アート作品と趣味の絵画と書(掛け軸)を飾れるようにとオープンな空間ながらギャラリーウォールや飾り棚、床の間を設けました。
普段は格納できる稼働間仕切り(建具)を開け放てば、LDK・書斎兼客間を兼ねた和室、寝室とが回遊動線を伴った開放的なワンスペースとして利用、テレワーク時や宿泊を伴う来客時など、プライバシーが必要な場面ではそれぞれ独立した部屋として機能します。
既存イミテーション建材のフローリングから本物の無垢によるフローリングに変更(全体はナラ、寝室のみ素足にやさしいパイン)に、マンションのLL40というやや厳しい防音規制を二重床にすることで実現しながら、天井材を剥がしてRC躯体をあらわしにした直天井とすることで天井高さを確保、断熱材や配線スペース部のみ下がり天井を設けてダウンライトを設置、RC部はややその下地の荒々しさも残したまま、イギリス製の水性塗料で仕上げました。ダイニングテーブルには手持ちのどっしりとしたやや大きなテーブルを置き、ダクト配管にて名作レ・クリントのペンダントを設えました。和室の天井のみシナベニアを目透かしばりにし、床には半畳の畳を埋め込み、LDKとも違和感のないモダンな和室に。一続きであっても素材や空間にちょっとした変化をつけています。
また、間仕切りを兼ねたキッチンの背面収納は両面で大量の収納を確保、裏側は水回りとつながる家事室を兼ねた大容量の納戸、さらにもうひとつの書斎スペースを設けました。玄関スペースもあえて拡張して既存下駄箱の扉だけ交換したところにさらにL型に大容量の玄関収納を確保、さらにさらに、和室の下部には引き出し収納を設置、また、LDKも対面キッチンのダイニング側、既存の柱型のデッドスペースを利用してLDK収納、ひとつづきになる書斎ワークデスクと書斎の収納、トイレの中にもデッドスペースや配管スペースを利用した収納を確保しました。トイレや洗面台、ユニットバスなどの設備も新しく更新。
家具にビルトインしたエアコンの効きが悪いとのことで、風の流れや温度を計測、まぁ、流石に今日の気温(日陰の外壁で41度!)では、設置場所の都合でキッチン背面のビルトインした一台だけの稼働では室温と湿度は特に問題ないのですが、ペリメーターゾーンまでは気流が届きにくいため、窓からの輻射を感じるため予備として設置してある書斎兼客間のエアコンも併用して稼働。しばらくの暑さの厳しい期間には木製ルーバーの下枠立ち上がりが風の流れを阻害しているようなので、暑さの厳しい時期には外すななど運用面しのぎしながら、またエアコンを自動運転に設定されていたいのでセンサーが効いてしまい能力を使い切っていませんでしたため、リモコンで温度指定と強制操作の風量での運転に切り替えて様子をみながら、今後の改善方法を検討することに。
また、ダクトレス循環型レンジフードを採用したところ稼働音がうるさく感じるとのことで、こちらも騒音計にて測定。確かに今日運転での近接音が80dbと騒音と感じるが、製品異常ではなさそう。ダイニングテーブル机上面で測定すると50db台にまで下がり、会話は60db台。
弱運転にすれば近接音が60dbと騒音と感じるが、ダイニングテーブル机上面では40db台までさがり、会話は60db台。4人でいれば日中はさほど違和感なく、机上面の音では数日前に測定した「中村自邸+2つのアトリエ」ともほぼ変わらないことを説明。
レンジ部分までフルオープンになったことから、これまでよりも音が室内聞こえるようなったことで夜にはさらに大きな音に感じるのでしょう。慣れの問題かもしれないことと、IHレンジに変えたので都市ガスのような燃焼ガスの発生そのものがないですから、適切な強弱運転の切り替えにて運用して1年点検まで様子を見ていただくことに。オープンキッチンを採用した場合には図面では見えない、音や匂いがクレームになることもあり、気をつけなければいけません。ですので、設計打ち合わせ時にはクライアントに「中村自邸+2つのアトリエ」を見学、体験していただいています。
実は今回のクライアントの奥様は日本建築家協会(JIA)の職員だったかたで、今回のリノベーションをするかどうかから迷っていて複数の可能性から相談したい、誰に相談したらいいだろうとことで連絡があり、「え、私たちJIAの建築家がいるじゃないですか(笑)」とのことで対話を重ね、他のさまざまな(何もしないも含めた)選択肢のなかから結果的にフルリノベーションにて方針を決定、建築費高騰、職人不足なか、施工会社もJIAの建築家仲間に紹介いただきながら、今回のご縁があって実現しました。JIAでご縁があって実現した建物はこれで4〜5軒目になります。
写真撮影もJIA神奈川の協力会員・寺川さん、動画撮影もJIA住宅部会個人会員の所属する会社コノイエさん。
撮影後には、ご主人の趣味である手打ちそばを振る舞っていただきました。が、写真は撮り忘れ。。。
ご馳走さまでした!
Taken with iPhone13,1,iOS 18.5
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2025年9月20日(土)「自然素材の平屋の木の家」完成現場見学会のお知らせ @小泉拓也+栗原守
中野区の「自然素材の平屋の木の家」は平屋の約33坪の住まいです。建築主さまのご厚意により2025年9/20(土)完成現場見学会を開催させていただくことになりました。リビングダイニングとつながる大きなデッキテラスで内と外の暮らしを楽しむことができる平屋の木の家です。 無垢の木や左官の薩摩中霧島壁、沖縄の月桃紙、天井のくりこま杉などの自然素材でできた温かく気持ちのよい空間の雰囲気をご自身の目と心で体感してください。 家づくりを検討中の方のご参加をお待ちしています。時間指定で3組限定の見学...