省スペースの住宅トイレで、手洗い場所が参考になったショールーム見学 @古川達也

ショールームに行ってみよう!

住まいの新築やリフォーム計画などで、ざっくり方針を検討している時、誰もが書籍やカタログ、インターネットなどを通じて様々な情報を集めることは、昨今かなり容易になりました。一方、実物に触れ実際の利活用や暮らしをよりリアルに想像しながら具体的検討をしたい時、例えば知り合いや友人宅で似たものがあれば見学させて頂けるかもしれませんが、当然簡単ではありません。

計画中の間取り図や模型、グラフィカルなパース(空間のイメージ画)などを眺めながら、何となく目指している雰囲気は分かったとして、それが本当に自分にとって大きいのか小さいのか、手触りや使い心地はどうなのか、自分の好みに合っているのか、今一つイメージ出来ないということは、プロでない施主ご家族だけでなく、プロの我々設計者でもあり得ることです。

建材や設備機器などの実物に触れ体感できるショールームは、計画中の条件が全て再現されていないとしても、実際の佇まいや利活用が想像出来るヒントにあふれ大変有効です。利用者の声に耳を傾けた丁寧な対応や、新しい試みのあるショールームが増えました。設計を進めるなかで「ご一緒にショールームで体感してから皆で方針を考えませんか?」と私から施主ご家族へご提案するケースも増えていますし、ほとんどのお客様は思い切ってショールームに来て良かったと話されます。

省スペースの住宅トイレで、手洗い場所が参考になったショールーム見学

横浜市戸塚区で設計中の木造2階建て個人住宅。30代ご夫妻と2人の小さなお子様、そして今奥様のお腹に嬉しい赤ちゃん。まさに子育て世代ご家族の住まい計画となります。概ねの間取りが決まりつつある設計の中盤、キッチン・風呂・洗面・トイレなど水回りの配置がみえてきたところで、個別に具体的仕様を皆で考え始めた段階です。トイレは1階と2階に設置するので2ヶ所。両方とも間取りの都合から比較的コンパクトなスペース(間口910×奥行1365)。壁の厚みを加味すると、ゆとりの少ないトイレ・スペースになります。

トイレを使ったあと、手をどこで洗いたいか?トイレの中に手洗いがあると、スペースがそれほど広くないので水はね等の掃除がしにくい。手洗いはトイレの外(廊下)にあった方が良いのでは?いやいや、手洗いがトイレの外だと、汚れた手でトイレ出入口の取手を触ることになるから、やはり狭くても工夫してトイレの中に手洗いがあるべき、等々。つまり、トイレの手洗い場所をめぐり少々意見が分かれたのです。手洗いは、限られたトイレスペースのどこに?どのように?。

省スペースのトイレ内、手洗いのスタイルと合わせてトイレ便器・便座の仕様や金額なども、ショールーム見学で方向性を見つけよう!とご家族に提案しました。一日でまわれる範囲2ヶ所のショールームに事前予約。もちろん、自分たちで自由に見学することも出来る所ですが、困っていることを具体的に相談したいので、当日は現段階の平面図を持参。専門知識豊富なショールームのスタッフに、ご案内頂くようお願いしました(費用はかからず無料)。今回お世話になったショールームは「TOTO横浜ランドマークショールーム(横浜ランドマークタワー34F)」「パナソニック リビングショウルーム横浜(横浜市神奈川区金港町2-6)」です。

①便器本体後ろで水をためるタンクに手洗いが付く形式。(TOTO、写真左)
●メリット
・手洗いが邪魔にならない。
・タンクがカウンター造作に隠れるタイプは、シンプルで清潔に保ち易い。
・両側余剰にトイレットペーパーや掃除用具など収納出来る。
●デメリット
・大人は問題無く使えるが、小さな子供は手が届きにくい。
・奥にあるので、水はねが起こり易い。
・便器と壁の間に立って使うので、広がった衣服は便器に当たり易い。

②壁に手洗いを設置する形式。(TOTO、写真右)
●メリット
・手洗いが手前にあるので使い易い。
・水はねがあっても、掃除し易い。
・造作が床から浮かせてあり、すっきりした印象。床掃除もし易い。
●デメリット
・コンパクトなトイレ(間口910×奥行1365)では、手洗いの出張りが足に当たる。

③壁に手洗いを設置しつつ足元が空いている形式。(パナソニック、写真右)
●メリット
・手洗いが手前にあるので使い易い。
・水はねがあっても、掃除し易い。
・造作や排水管が床から高い位置にあり、手洗いの出張りが足に当たりにくい。
●デメリット
・施主ご家族は問題なかったが、身体の大きい来客がある場合は足に当たるかも?
・排水ルートが限られるので、壁の構造や配管など調整の緻密さが必要。


④壁に手洗いを少し埋め込む形式。(パナソニック)
●メリット
・手洗いが手前にあるので使い易い。
・水はねがあっても、掃除し易い。
・排水管メンテナンス用の箱造作に、掃除用具など小物が収納出来る。
●デメリット
・埋め込まれているので少々使いづらく水はねしやすい。おそらく下部を防水・防汚性のある箱造作にしている理由でもある。
・外壁側に埋め込むと断熱材を欠損する。屋内側の壁に埋め込む制約はある。

私たちの進める現在の住まい案の場合は、1・2階とも「壁に手洗いを埋め込む形式」が馴染むことを、ご家族皆と共有でき大変収穫がありました。各ショールームで便器本体と手洗いユニットの参考見積もりをお願い出来たので、より具体的に計画が進められそうです。また、ショールーム体験では手洗いカウンターが、手を添えることで便座の立ち座りに役立つことに気が付き、その有無から発展。バリアフリーを考え手摺の必要性まで意見交換できました。ショールームでの実物体験は、キッチンやお風呂・洗面、建材や備品など、トイレ以外の住まい検討でも、未来のリアルな暮らしを想像する良い機会となるように思います。

余談です。ショールーム見学は、いつでもどなたでも可能である場合が大半。実際の計画がなくても見学可能と思いますが、やはり家づくりであれば具体的な間取り案が分かる平面図などを持参した方が、より親切にご案内頂けると思います。また、建築全体の特徴や壁などの構造が、商品選択の条件になることも多々ありますので、是非一度は私達のような設計者など、建物全体が分かるパートナーとご一緒に見学することをお勧めします。ご参考に。

古川達也
古川都市建築計画一級建築士事務所

 

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