見直しの住居学07:町とのつながりも考えよう@栗原守+小泉拓也

近所づきあいを表す言葉に「向こう三軒両隣り」という言葉があります。両隣と通りをはさんだ向かいの3軒、計5軒とは「お互い様」の気持ちでお付き合いする、という昔ながらの考え方です。住まいをつくるときにはこのお互い様の気持ちを大切にしたいものです。
「塀をつくらず街にオープンに開いた住まい」を提案すると、それでは用心が悪いからブロック塀を2m程の高さでつくってほしいという人がいます。でもこれは逆です。防犯を考えて、塀を高くするのは安全にはつながりません。塀を乗り越えて侵入した泥棒は、塀の陰に身を潜めていれば、家の人が気付かない限り見つかりません。
それよりも、生け垣やネットフェンス、低い花壇などを塀代わりに、道行く人の眼も楽しませるようにオープンにした方が、かえって安全です。隣り近所の人の眼があるので、泥棒も侵入するのが難しく感じるはずです。生け垣やネットフェンスをお隣さん同士で計画すれば、昔ながらの「向こう三軒両隣り」の気持ちが現代に復活します。

通りに面した空間は門扉、郵便受け、植栽、カーポートなどの場になると同時に、住まいと街との接点になります。住む人にとっては自分の「私的な」庭であり、道路を行き来する人にとっては「視的な」庭になるわけです。街とのつながりを意識しながら、街の人が見て楽しむ空間を提供してあげるのだという心の余裕で、魅力的な前庭をつくってみませんか。前庭は住まいの内部でありながら、街の一部でもあると考え、街のひとを思わず立ち止まらせるようなデザインを考えるのも楽しいと思います。町とのつながりを考える人が一人でも多くなれば、街はもっと優しく楽しく変化していくはずです。

13-1宮下邸外観W380サイズ

既存の鋳物のポストを残しながら町に
オープンに開いた計画をしています。

>>栗原 守+小泉 拓也/一級建築士事務所 光設計 建築家31会のページ
>>一級建築士事務所 光設計のHP

 

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