見直しの住居学06 長持ちする家をつくろう@栗原守+小泉拓也

日本の住宅の建て替えサイクルは28年という統計があります。私たちが今つくる家が28年で解体されるのであれば、私たちは28年後の粗大ゴミを一生懸命つくっているということになってしまいます。

いま建て替えている住まいは老朽化して構造がだめになっているからではなくて、設備が古くなったり、家族構成が変わったり、暮らしに合わせられなくて建て替えているケースがほとんどです。もし、簡単に設備が更新できるような配慮があって、間取りなども変えられるように計画してあればリフォームで済むケースもたくさんあります。

それが建て替えを選択するには訳があります。今の住まいに対する愛着が少ないのです。住み手が愛着をもって大切にして、長い間愛してくれる住まいにするには自然の素材を使うのが一番ではと思っています。

無垢の木や和紙、珪藻土の壁、自然の塗料などを中心に使った住まいは、10年たっても20年たっても汚くなりません。というより「経年美化」といって味のある汚れ方をしてくれます。小さな傷など当然いっぱいあるだろうが、それが家族が暮らしてきた年輪というものだと思います。

大切な木材資源を使って作る住まいだから、次の代まで使えるように、長持ちするようにつくりたいと思っています。

岩城さんW650サイズ
信州カラ松、珪藻土を内装に使ったリビングです。
5年〜10年と時間の経過で床や天井の色が美しく飴色に変わります。

>>栗原 守+小泉 拓也/一級建築士事務所 光設計 建築家31会のページ
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栗原 守 + 小泉 拓也栗原 守 + 小泉 拓也

栗原 守 + 小泉 拓也 くりはらまもる こいずみたくや

一級建築士事務所 光設計

「呼吸する住まい」をテーマに自然素材と自然エネルギーを有効に利用するエコロジーな住まいを建築主さんと2人3脚で設計しています。

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「江戸Styleの家」オープンハウスのお知らせ 2024 年11月30日(土) @小泉拓也+栗原守

「江戸Styleの家」オープンハウスを11月30日(土)に開催します。2005年7月に竣工した自邸兼モデルハウスです。約19年が経過していますので、無垢の木などの自然素材が時間の経過とともに美しく変化(経年美化)している様子を確認することもできます。自然素材の小振りな住まい、あたたかく気持ちのよい和モダンな住まいの雰囲気をご自身の目と心で体感してください。 *「江戸Styleの家」はエコの取り組みでグッドデザイン賞を受賞しました。 *2021年12月「渡辺篤史の建物探訪」、「突撃!隣...