設計雑感(秋) @前田敦
落ち葉の絨毯が演出する台地に、澄み切った少し肌寒い空気が心地良い・・・
秋と言えば落葉樹が主役となりますが、常緑樹も実は落葉します。
落葉の時期や期間が様々ですが、新陳代謝するためには落葉は必要で
むしろ健康な証しだと言えるでしょう。
既存樹木や新設樹木は住空間を創出する際にとても重要なアイテムになります。
雰囲気だけではなく、暑さ寒さの調整装置としても樹木の存在は環境全体を左右します。
つまり建築空間と一緒に考えるべき存在なのです。
個人的な見解ですが、樹木って居住空間の原型のように思っています。
人が木陰に佇んでいる姿をみると、さながら部屋のようです。
西洋文化によると、「room」の語源は森の伐採された場所、つまり「森の中の空地」です。
東洋文化的には「傘」のような空間こそが空間の原型のように思います。
分厚い「壁」で空間を創る西洋文化と
「屋根」を架構して壁を開放する東洋文化の違いがそこに在るように思います。
そんな考え方で設計した「木漏れ日屋根の家」は
既存樹木そのものが屋根だという発想によるものです。
丸く欠き取られた建築の屋根は、そこに樹木という屋根が存在しているのです。
この樹木は落葉樹なので、夏は日射しを遮り、冬は太陽光を家の奥深くまで導きます。
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