リビングダイニンとつながるオープン体面アイランドキッチンの設計デザイン

最近はオープンキッチンが多くなってきました。

クライアントとの打合でよく伺う話は、お料理をしたり片付けをしている奥様が、ご家族とコミュニケーションがとりにくいとか、お子さんの小さなご家庭では、お料理中にもお子さんの様子がわかるようにとか。

そんな奥様のご要望はもっともなことなのですが、もう少しその先を考えると、お子さんたちに、お母さんの料理する様子や工程をみていてもらうことの大切さとか、お料理をすることが、家族にとっての共同作業であるとか、料理と食事ということが家族にとっての大切なきずな造りにつながること、料理をすることが創造的で楽しいことだとかと、オープンキッチンにする意味合いは深まってきているように思われます。

そういう意味で、オープンキッチンのおもしろさを意識して設計しています。

そんなオープンキッチンのスタイルにもいろいろあるのですが、多分、一般的に一番多く造られているのは、I型。

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「駒込の健康住宅」親世帯のキッチン

I型は、料理中の作業動線が最も効率で、少ない動きで料理ができるメリットがあります。ただ、家族には背を向けるので、家族の気配は感いられますが、振り向かないと様子の確認はむずかしいですね。

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家族の方を向いてキッチン作業ができる、アイランド型(I型)キッチンです。I型の作業性の良さがあります。アイランドならではなのは、キッチンカウンターの廻りをぐるっと回れることです。誰でもキッチンに入りやすく、自由なキッチンになっています。
背面は収納としてつくれます。
この写真は、「父娘で暮らす大屋根の家」のキッチンで、バック収納には、食器や鍋釜はもちろん、電子レンジや炊飯器、トースターなどのキッチン家電も収納します。さらに右奥にはパントリーが控えています。

オープンキッチンの問題点は、作業場所としてのキッチンの道具たち、調理家電やまな板、布巾、洗剤類が見えてしまうことです。それらをどのように収納するか、出しておいても良いものをしっかり考える必要があります。
それと、レンジフード廻りがオープンであるために、排気の気流が造りにくく、匂いや汚れた空気を効率的に排気するのがむずかしくなります。

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レンジからの排気効率を揚げるためには、上の写真のような二列型が有効です。
この写真は、「耐震ブレースのある家」の子世帯用のキッチンです。
手前のアイランドにシンク、バックのカウンターにコンロを配置することで、コンロ廻りが壁で囲まれ、排気の気流が造りやすく、油ハネも少なくてすみます。
バック収納には炊飯器や電子レンジ、トースターにコーヒメーカーなどの調理家電類が隠されています。もちろん使う時には使いやすいようにオープンされるようにデザインされています。
アイランドカウンターの左隣にはダイニングテーブル置かれます。ダイニングとキッチンの関係が一体的で緊密です。料理や片付け、食事という行為が家族の中での大きな位置にあるように思えてきませんか。

 

 

こちらもⅡ列型のキッチンですが、アイランドではなくて、ペニンシュラタイプです。

奥にコンロ、手前にシンクがついています。オープンになることでシンク廻り出てきてしまうスポンジやたわし、洗剤などが、お客さんから丸見えになるのはいかがなものかということで、カウンターの外側に手元を隠す立上がりをつけている事例です。

「中庭のある小さな平屋」

 

ペニンシュラ型は、アイランド型と比べると、カウンター廻りを廻れなくなるので、作業性やオープンな感じはダウンします。
上の写真のようにコンロが壁付になることで、レンジフードの排気は安定します。

二列型のペニンシュラでは、こんなタイプもあります。
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コンロをペニンシュラ型にして、ダイニングテーブルと一体化するように作り込んでみました。コンロをダイニングテーブル側に持ってくるのは、当社でもすくないですが、食事の時に火をみるのってのも、少し楽しいことだと思われませんか。

また、1列型のペニンシュラとしてはこんなスタイルも。

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こんな感じだと、かなりオープンな感じではないでしょうか。コストを押えるために、必要最小限の隠す収納とデザインの良いキッチン家電をみせる収納で、キッチン自体もかなりオープンに造っています。
お店のカウンターのようなキッチンです。こちらはマンションのスケルトンリフォームの事例です。「room304」

次は、オープンキッチンでL型配置の事例です。

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建築面積8.2坪という狭小敷地での住宅です。「ろじのさき」

狭小とはいえキッチンに求められる必要な機能を、オープンキッチンとしてダイニングと共にコンパクトにまとめあげていくと、L型は効率的です。
このキッチンの中にオーブン電子レンジ、食洗器、炊飯器など、当然常時使う鍋釜の収納されています。
ただ、これだけではダイニングキッチンで廻りで使うものを収納しきれるわけではないので、カメラを構えている写真のこちら側壁面一面が収納で、食器類、買い置きの食品、雑貨諸々の収納スペースになっています。

オープン、クローズ、どちらにするかは、それぞれのご家庭や奥様の好まれることだと思いますが、オープンにすることで、キッチン自体が、デザイン的に重要な要素として使えます。I型、2列型、L型、U型、アイランド、ペニンシュラ、それぞれの組み合わせの違いで、さまざまなデザインが生まれてきます。
もちろん、機能的に重要な場所ですから、見た目だけではなく、そこは十分な検討をしてください。

オープンキッチンで、もう一つ重要なことは、家族としてのあり方、家事への関わり、家族の関係、家庭生活の考え方を少し考える機会になるということだと思います。

磯村一司+政本邦彦
ギルド・デザイン一級建築士事務所

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