アジアンテイストデザイン設計のマンションスケルトンリフォーム
今週のリレーブログ担当のギルド・デザイン磯村です。
マンションリフォームで、部分リフォームと違って、間仕切り壁や床、天井を解体して、作り変えるようなスケルトンリフォームなら、新しい間取りを自由に作れるかというと、そんなことはありません。
ご紹介した「アジアンテイストリフォーム」の計画では、トイレの位置を少し変えて、キッチンの位置は、かなり動かしています。
スケルトンリフォームならではの変更ですが、一般的には、水回りの変更は難しいものです。
電気の線とちがって、排水管は太く、所定の水勾配をつけないと、詰まりの原因となります。室内には、パイプシャフトと呼ばれる場所があり、上階から下階へ排水が通る位置が決まっているので、水回り部屋は、その近くに作るのが理想です。
床下が深ければ、太い管も水勾配も自由になりますが、マンションでは、そんなもったいないことはしていないので、キッチンだって、なかなか自由に動かせるものではありません。
「アジアンテイストリフォーム」のキッチンでは、既存マンションの構造図や設備図を確認しながら、ここなら大丈夫という位置で決めています。
縦につながる排水管(黒い縦管)の足元には、この部屋の排水管が集まってきています。
また、マンションは戸建て住宅と違って、共用部分があります。前述のパイプシャフトもその一つですが、外壁やお隣との境の壁(界壁と言います)、床や天井の仕上げを取り去った後の構造部分は、共用部分です。
サッシや窓ガラス、バルコニーも共用部ですが、ただ専用に使っているという場所です。
その共用部は、基本的にいじってはいけません。
戸建て住宅であれば、スケルトンリフォームで窓の位置を変えたりパイプショフトをかえること、場合によっては、柱や床を変更することもできますが、マンションの共用部は共同所有部分ですから、勝手にいじることはできません。
外壁に穴をあけるなんてことはできないのですから、エアコンの冷媒管やドレン管の位置、換気扇やキッチンのレンジフードのダクトを出す位置は、変えられません。間取りを大きく変える場合は、ダクトの経路やエアコンをどこにつけるのかも考えておかないといけません。
換気扇などのダクトも、出口は既存を使います。
新しい間取りでも、ダクト経路を考えないといけません。
新築と違ってリフォームは、デザインする部分が少ないように思われますが、出来ることへの制限が強いだけ、新築とは違ったアプローチでのデザインが必要になります。
その制限のぎりぎりを探したり、制限を逆手に取ったデザインを考えたりしながら、クライアントの生活スタイルに則したプランを、組み立てていきます。
ご紹介した「アジアンテイストリフォーム」の現場は、解体が終わって大工さんや設備屋さんが乗り込んできたところです。
随時、現場の様子をブログアップしています。
プランだけでは分かりにくいと思いますので、ぜひ、ギルドデザインのブログで、現場の様子をご覧ください。
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