独り住まいの分譲マンションLDKスケルトンリフォーム

今週のリレーブログ担当のギルド・デザイン磯村です。

今回は、マンションのスケルトンリフォームの事例のお話です。

このマンションは、2000年竣工のマンションですので、古いマンションではないのですが、クライアントが、スケルトンリフォームしようとお考えになったのは、生活スタイルが、間取りと違いすぎるからでした。

一般的に分譲マンションでは、ファミリー層を狙って、よく売れる間取り、よく言う何LDKというように部屋数が多く、リビングがしっかり取れているように見せるプランを作りがちです。実際には、リビング?というように首を傾げたくなるリビングだったりしますが。

今回のクライアントもそうで、マンションのある立地条件、周辺環境をとても気に入っているのですが、一人で生活するのに、60平米で、3LDKという間取り、8畳のリビングダイニングは、いらない部屋が多く、くつろぐべきリビングが狭い、60平米という広さを生かしておらず、来客と楽しむような場所がないとお考えでした。

提案したプランは、キッチンを生活の中心としたLDK案で、十分な広さの収納は作るものの、小さめの寝室や無駄な廊下を省くことで、スペースにメリハリをつけ、ゆったりとくつろげ、来客対応もできるLDKを実現したものです。

玄関が広くて、畳の間があるのは、不思議ですね。
クライアントが実家から持ってくるお雛様などを飾ります。
マンションなのですが、とても近隣関係がよいところだそうです。マンション住民とのコミュニケーションの円滑な関係のためにも、外廊下に面して、玄関でちょっと腰かけてお話しできる「飾りの間」が有効ではと、提案してみました。
60平米という、コンパクトなマンションのスケルトンリフォームですが、スケルトンリフォームだからできる、そのクライアントの生活スタイルならではの提案をしています。上の「飾りの間」その一つで、平面図だけではわからない提案が、いくつも重なっています。

子育て家族ではなくて、独り住まいのクライアントだから、一般の間取りと計画案が大きく違うということもあるでしょう。
しかし、家族単位で、生活の仕方は本当にまちまちです。とても多様化しています。
それを受け止めて計画すると、分譲マンションの何LDKとは、全く違ってくるものなのです。

当初の間取りでは、空間的に豊かな生活はなかなか望めません。
子育て世帯でも、高齢者世代でも、その家族にとって豊かな生活は、リフォームによって作り出せると思います。

この提案したスケルトンリフォームのマンション計画は、現在工事中です。ギルドデザインのHPからご覧になれます。
「アジアンテイストリフォーム」からどうぞ。

磯村一司+政本邦彦
ギルド・デザイン一級建築士事務所

著者情報

磯村 一司 + 政本 邦彦磯村 一司 + 政本 邦彦

磯村 一司 + 政本 邦彦 いそむらかずし まさもとくにひこ

株式会社ギルド・デザイン
一級建築士事務所

風や光、素材の扱い方、住宅としての生活のしやすさ、それらをバランスよく、シンプルでさわやかで心地よい、その上で、建主さんの考える一つ先のデザインを提案します。

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この度、設計事務所アーキプレイスで設計監理しました『回遊動線のあるつくばの家』(木造2階建)が竣工間近となり、建て主様のご厚意によりオープンハウスを開催させていただくことになりました。 つくば市の新旧入り交じる住宅街に建つ、3人家族のための住宅です。 リモートワークが広まり家で過ごす時間が長くなる中、ご夫婦それぞれの仕事場でもある住まいには、より快適に暮らしていけるよう、ゴロンとできる和室、本棚のあるヌック、子供と遊べる南の庭などの場所をちりばめています。 オープンハウス(完成見学会)...