SUMIKAインターネットサイト住宅コンペで落選蹉跌の建築家の提案計画
2008年頃は、積極的に住宅コンペへの応募を行っておりました。当時は幾つかの提案型コンペサイトがインターネット上にあり、いわゆる「ネットコンペ」が盛んに行われていました。その中でもHOUSECO(現在はSUMIKA)というサイトのコンペは、成約に関する縛りがゆるく、建築家の間ではとても人気がありました。同時期に幾つかのコンペが開催される事もあり、どれを選ぶかに頭を悩ませたものです。そんな中で、かつて無い程の応募の数を集めた案件が、今回ご紹介する、鎌倉山の案件です。こちらには50名以上の建築が応募登録を行っていたと思いますが、お客様による現地説明会では、うだる様な暑さの中、たくさんの建築家が集まりました。
鎌倉山の頂上付近の敷地は、その立地がすばらしく、大きめの敷地からは、遠く相模湾が望めました。アプローチ付近に立った時には、隣地の建物が、少々気になりましたが、これを逆にデザインに取り込む事で,面白いご提案ができるのでは・・・と確信しました。また、お施主様がご用意されたデザインソースの写真からは、ミニマルな志向が感じられ、この辺りも設計にのめり込む事ができた要因だったかもしれません。
ご提案内容は、門型の壁と屋根で、直方体を囲み、その間を硝子で囲うともので、隣地からの視線をカットしながら、海への眺望を方向付けるという物でした。
こちらは、1次審査を通り、お客様との個別面談に進んだのですが、残念ながら、私を含めHOUSECOの提案内からは選ばれる事はなく、最終的にどのような家ができ上がったかは定かではありません。正直な所,この結果には非常に残念な思いをしたのですが、反省点も多くありました。あまりにも自分の提案内容にのめり込みすぎてしまい、お客様のご要望をしっかりと受けとめる事が出来なかったのではないか・・・という事です。
ご自宅をどのようにしたいかのお話を、いかに多く引き出す事ができるか・・・何かボタンの掛け違いをしてしまったかの様な、大きな課題を与えられた記憶があります。
− 最新イベント情報 −
「江戸Styleの家」オープンハウスのお知らせ 2024 年11月30日(土) @小泉拓也+栗原守
「江戸Styleの家」オープンハウスを11月30日(土)に開催します。2005年7月に竣工した自邸兼モデルハウスです。約19年が経過していますので、無垢の木などの自然素材が時間の経過とともに美しく変化(経年美化)している様子を確認することもできます。自然素材の小振りな住まい、あたたかく気持ちのよい和モダンな住まいの雰囲気をご自身の目と心で体感してください。 *「江戸Styleの家」はエコの取り組みでグッドデザイン賞を受賞しました。 *2021年12月「渡辺篤史の建物探訪」、「突撃!隣...