変形地でも快適に暮らす_細長変形地の二世帯コートハウスを図面で解説4 @石井正博+近藤民子
今週の “リレーブログ” を担当しています設計事務所アーキプレイスの石井正博+近藤民子です。
前回(3回目)は、建て主世帯のメインフロアである2階のLDKと音楽室を中心に、デッキテラスを介して広がる立体的な空間構成をご紹介しました。
今回は、その上階となる3階のプランをご紹介します。ここには寝室や子供室といった、よりプライベートな空間を配置しました。
細長い敷地の中で、光や風をどのように取り込みながら落ち着きのある個室をつくったのか。さらに、屋上テラスやロフトといった“もうひとつの居場所”が、暮らしにどのような広がりをもたらしているのか。
プランと完成写真を交えながら、住まいの最上部へと視線を上げていきます。
3階へ上がると、動線を中心に各室が振り分けられる明快な構成としています。
階段を上がって右手に子供室、左手に水廻りと主寝室を配置しました。
階段正面には、ロフトと屋上テラスへとつながる箱階段を設けています。単なる昇降のための階段ではなく、立体的に空間が連続していくことを感じさせる装置でもあります。
子供室は天井を高く取り、上部を吹き抜けとすることでロフトとゆるやかにつながる構成としました。縦方向の広がりを持たせることで、限られた床面積の中でものびやかさを感じられる空間としています。
ロフト、そしてその先の屋上テラスへと視線と動線が抜けていくことで、住まいの最上部まで立体的に広がるプランとなっています。
左の写真
階段を上がった先の3階廊下です。正面に水廻り、左手に主寝室の入口が見え、コンパクトながらも分かりやすい動線計画としています。縦方向に連続してきた空間が、ここで落ち着いた個室ゾーンへと切り替わります。
右の写真
主寝室の様子です。道路側の天井を一部高く取り、細長い平面の中に縦方向の広がりを加えました。手前にはクローゼットを設け、奥を就寝スペースとすることで、ひとつながりの空間の中に緩やかなゾーニングをつくっています。
左の写真
デッキテラスに面して出窓を設けた子供室です。大きな面積を確保することが難しいため、床面積に入らない出窓によって、実際の床面積以上の広がりを感じられるよう工夫しました。ベンチのように腰掛けたり、本を読んだりと、多用途に使える居場所にもなります。将来的に2室へ分けることも想定した計画としています。
右の写真
子供室は天井を高く取り、上部にロフトへとつながる開口が見えます。縦方向に抜ける空間構成とすることで、コンパクトな個室でも伸びやかさを感じられるつくりとしています。
左の写真
屋上テラスとロフトへとつながる箱階段です。段板の内部は収納として活用し、一部は飾り棚にもなる構成としました。上階へ上がるための動線でありながら、使う・眺める・飾るといった楽しみが重なり合う、立体的な居場所となっています。
右の写真
屋上テラスの様子です。周囲の建物越しに視線が抜け、北側には大きな森の緑を望むことができます。都市の住宅密集地にありながら、空に近い場所で開放感を味わえる、もうひとつの外部空間です。
左の写真
道路側から見た夜景です。手前にガレージ、その奥に二世帯分の玄関扉が並ぶ構成が、奥行きのある敷地形状をそのまま表しています。
2階の大きな開口はダイニングキッチンの窓で、内部の明かりがやわらかく街ににじみます。3階の窓は主寝室のもので、非常進入口(代用)としても機能する窓です。用途を満たしながら、外観のリズムをつくる要素にもなっています。
右の写真
隣地アパート側から見た夜景です。周囲を建物に囲まれた環境の中で、内側に取り込んだ光が落ち着いた表情をつくり出しています。外へ過度に開くのではなく、必要なところにだけ光をにじませることで、都市の中に穏やかな佇まいをつくっています。
このように、細長い変形敷地という厳しい条件の中で、光・風・視線・距離感を丁寧に重ねながら、立体的な住まいを組み立ててきました。
そして、間口いっぱいのガレージ、伸びやかなワンフロア空間を可能にしているのが、構造の工夫です。
最終回となる次回は、本計画を支える構造計画――SE構法を採用した理由と、その具体的なメリットについてご紹介します。
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どんなふうにできあがっていくのか、どうやってつくられているのか…住まいの“なかみ”とは、出来上がった時には隠れてしまうところ。見る機会の少ない工事途中を見ていただくものです。 無垢の柱や梁などの構造材、Baubioとセルロースファイバーの断熱材、通気の工夫などの“なかみ”を実際に見ていただきながら詳しく説明をします。光設計の「呼吸する住まい」の“なかみ”を見ることができるいい機会ですので、是非ご参加ください。 会場:杉並区荻窪 「スロープ玄関の小さな木の家」 ...











