住まいの採光と通風(住宅の日当りと風通し) その4 @石井正博+近藤民子
住まいにとって大切な「採光と通風(住宅の日当りと風通し)」についての “リレーブログ” 四回目は、風の流れをイメージした平面計画と、断面を活用したした採光・通風の方法についてです。
4.風の流れをイメージした平面計画
その土地において最も頻繁に吹いてくる向きの風を、卓越風(たくえつふう)と言います。卓越風は季節の移り変わりに応じて変化してきますが、東京近郊では一般的には夏は「南〜南南東」、冬は「北〜北北西」です。(詳しいデータ:自立循環型住宅のHP「気象データ」)
この卓越風を頭に入れて、夏の風を取り入れやすいように建物の形状や敷地の中での配置を決めます。部屋は風が流れていきやすいように、風の入口と出口を意識して窓を計画します。部屋には2つ以上窓を対角に離して設けるのが理想です。できれば部屋はあまり小割りにせず、開けっぱなしにできる引き戸や欄間を使うなどして、家全体で風が流れるように計画します。
上の図は、密集地に計画した3階建て住宅の2階平面図です。バルコニーやシンボルツリーを植えた坪庭的な外部空間を建物に組込むことで、風を内部に取り込み、出口となる側にも窓を設けています。
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5.断面を活用した採光と通風(日当りと風通し)
住まいの「採光と通風」では、平面だけでなく断面を組み合わせて考えることが大切です。特に狭小地や密集地の住まいにおいて、隣地側に単純に窓を設けるだけでは、快適な内部環境を実現することは困難です。階を繋ぐ吹抜けや、床に段差を設けたスキップフロアの構成を計画に取り入れる方法があります。周囲の環境を含めて、住宅という一つのボリュームを、より立体的に捉えることで快適な内部空間を実現できます。
上の図は、北側道路の南北に長い敷地で、3方を囲まれた住宅です。南側にデッキテラスを設けて、南側隣地建物の屋根越しの光をLDKに取込むとともに、リビングとダイニングの間に設けた吹抜けを通して、建物中央上部からも採光しています。
風はデッキテラス側だけでなく吹抜け上部の窓からも入ってきて、吹抜けで繋がった空間を通り、北側へと流れていきます。
>>スキップする家
住まいの採光と通風(住宅の日当りと風通し) その4
住まいの採光と通風(住宅の日当りと風通し) その3
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