浸水に対する対策3 @菰田真志+菰田晶

今週のリレーブログを担当しています菰田建築設計事務所の菰田真志(こもだまさし)です。

今回は昨日に続いて浸水対策について書いてみたいと思います。

敷地の浸水の状況を確認したところまでは前回書きましたが、具体的にした対策のひとつとしては基礎の高さを上げました。具体的には今回の浸水の高さが地盤面から約450だったので、玄関周りの土間の高さを地盤面から600まで上げることで水が来たときにも玄関ドアからの浸水を防ぐのが狙いです。もっと上げれば安全度が上がりますが、玄関土間の高さも上がってくるので、あまりきつい段差のない生活を望んでいる施主の希望とのバランスをとりました。玄関周りの段差はアプローチ部分で解消します。また建物全体の高さをあげられないということもあり変更可能なギリギリの寸法まであげた形です。

玄関からの浸水に関してはほかにも止水板等も検討しましたが、なかなか住宅で使うには現実的なものがなかったのと、止水板では完全に止めることはできず必ず建物内に水が侵入してくることも止水板を使わなかった理由です。

基礎に関しても、基礎の打ち継ぎ部分からの浸水を止めるために、スラブと立上りの打ち継ぎ部分に水性アスファルト系 打継止水剤を打ち込みました。また、基礎立ち上がり外部側の仕上前に塗布系防水剤も塗布しています。

水性アスファルト系 打継止水剤
黒い線状に塗ってあるのが 水性アスファルト系 打継止水剤 です。
止水板というゴムの板を入れることもありますが、基礎の型枠施工の関係で今回はこちらを採用しています。

あとは、どうしてもでてくる設備関係のスリーブは、配管後に防水処理をします。

止水処理
青の点線のラインまでは基礎で浸水をカバーできる部分
その下にある設備開口等は止水処理をきっちり行います。

エアコン室外機

エアコン室外機も今回は地面に据えるのではなく基礎天端よりあげました。
浸かっても大丈夫という話もありましたが確認はとれず、やれることはやろうということで壁掛けにしています。
(余談 室外機が塀の真正面ですが、風向調整版をつけて吹返しを防いでいます。)

これで地盤面から600未満の浸水までは大丈夫なはずです。

・・・続く

(有)菰田建築設計事務所
菰田真志 + 菰田晶
http://www.archi-komo.co.jp/

著者情報

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菰田 真志 + 菰田 晶 こもだまさし こもだあき

有限会社 菰田建築設計事務所

毎日を心地よく機能的に暮らせる建物。 街に調和しながら趣のある建物。 思わずニンマリ微笑んでしまう建物。 わくわくする建物。 そんな建物を生活スタイルや価値観を伺いながらひとつひとつ創ってゆきます。

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