11年後の子供部屋 マンションリノベ編@七島幸之+佐野友美
11年前に95㎡のマンションをフルリノベーションしたお施主さんから
今年初め、主に子供部屋の間取り変更のご相談がありました。
前回のリノベ当時、未就学児〜小学校低学年だったお子さん3人。
マンションの限られたスペースのなか、普通に使ったら12畳の1部屋となるスペースを
男の子2人のスペースと女の子1人のスペースにゆるりと分けました。
マンションなのでもちろん窓の位置・大きさは限られており、
男女スペースを間仕切壁で分けたとしても窓は1つ。
マンションリフォームの場合、外壁に手をつけることができません。
なので、風や光が男子のスペースと女子のスペースのどちらにも届くように、
間仕切壁を天井まで立ち上げずに、目線が隠れる1.8mくらいの壁としたり、
小さな小窓や開口を設けて、行き来しやすい子供スペースとしていました。
リビングのテレビのある壁の両側の扉からそれぞれの子供部屋へ。
男の子部屋の2段ベッド上段から12畳の子供スペースを見渡したところ。
風通しよく光も奥まで届くよう、上部に隙間をあけた、収納・デスクの造り付け家具の間仕切り。
平等に、1人につきクローゼットとデスクのセットを造り付け。
間仕切り壁に設けた、開け閉めできる室内窓。
女の子スペースにもデスクとクローゼット。
こちらは一段ベッドなので、ベッド下を収納としました。
子供たちが行き来できる開口。
そんなお子さんたちも11年経って10代半ばとなり、プライベートな空間が必要となってきました。
また今回のリノベの1つ課題は、音問題。
中高生もオンラインでの授業がメインの学校に所属していたり、趣味や課外活動でVRを利用したり、、、イヤホンで相手側の声・音は聞こえなくとも、発信する声は家中に聞こえるので(イヤホンをしているためか、ついつい大きな声になってしまうとか)家族の悩みとなっていたようです。
今回のリノベでは、女の子は既に別の個室に移っているため
もとの子供三人分のスペースを、男の子二人のスペースに作り替えることになりました。
もともと12畳程度なので、おおよそ6畳ずつと広さは十分ですが、気になるのがマンションの窓問題。
今回はどうしても1部屋が窓無しになってしまいます。
音のことも考えると完全に塞いだ方が良いのですが、それは精神衛生上よろしくない。
防音としては劣ってしまうのですが、室内ガラス窓を設けて、
窓がない部屋にも採光・通風を確保することになりました。
バルコニーに面した明るい部屋のイメージ図
バルコニーや窓のない防音を施す部屋のイメージ図。
防音室ながらも高窓から光やを取り込む計画です。
前回は蚊帳の外だった長男くんでしたが、今回は一緒に打合せしたりメールでやりとりして方向性が決まり、その後、工務店さんも決まり、マンション管理組合の承認もおり、9月はじめから工事がスタートすることになりました。
子供部屋以外にも、北側の外廊下に面した個室に断熱を補強したり、11年経った設備(食洗機や給湯器など)を入れ替えたり、全室のクロスを張り替えたりの工事も同時に行います。
いつかは独立する子供部屋をどうするかは、各家族ごとにいろんな考え方があると思います。
今回のお宅では、まだしばらく子供たちがここで生活するということを想定して
今、家族みんなが快適に過ごせる方法を選択しました。
完全な二部屋に分けておくと、またその1つが防音室となると、お子さんが独立したあとも、楽器を演奏したり、オンライン会議などの部屋として活用できそうです。
もう1つの部屋は、防音でないながらも広いバルコニーに面した明るい部屋なので、お子さんが帰省した際の(家族を連れてくることも)泊まれる部屋にもなりそうです。
どのような部屋になったのか、またこちらでご報告したいと思います。
アトリエハコ建築設計事務所(@七島幸之+佐野友美)の他事例はこちら>
アトリエハコ建築設計事務所(@七島幸之+佐野友美)のホームページはこちら>
− 最新イベント情報 −
2025年9月20日(土)「自然素材の平屋の木の家」完成現場見学会のお知らせ @小泉拓也+栗原守
中野区の「自然素材の平屋の木の家」は平屋の約33坪の住まいです。建築主さまのご厚意により2025年9/20(土)完成現場見学会を開催させていただくことになりました。リビングダイニングとつながる大きなデッキテラスで内と外の暮らしを楽しむことができる平屋の木の家です。 無垢の木や左官の薩摩中霧島壁、沖縄の月桃紙、天井のくりこま杉などの自然素材でできた温かく気持ちのよい空間の雰囲気をご自身の目と心で体感してください。 家づくりを検討中の方のご参加をお待ちしています。時間指定で3組限定の見学...