『間取りの模範解答』子供の成長と共に変化する住まい@岸井智子
先日出版された建築家31会の新刊『間取りの模範解答』に、私たちの設計した「農家のはなれ」が掲載されました。この事例について写真をまじえ具体的にご紹介します。

母屋の隣に建つこの住宅では、母屋との高さや形状のバランスから平屋をベースとし、寄棟屋根で高さのある建物中央の一部に2階を設けています。(写真で奥に見えているのが母屋です)

1階の玄関、キッチン、ダイニング、リビング、子供部屋は基本的にオープンにつながる設計となっており、天井も高く開放的な空間です。
お子さんが小さい間は、1階のスペースを中心にのびのびと過ごします。


子供部屋からリビングを見た様子。引き戸を開けると一体的な空間となっています。
2階は1階とは少し異なる空間性で、落ち着ける小さめのスペースとなっています。

この2階のフリースペースは、具体的にだれがどう使うかということを設計時に決め切っていたわけではありませんが、実際にはご主人のリモートワークスペースとして使用されたり、社会人となったお子さんが帰省の際や、お客様が宿泊の際に客間として使われているそうです。

そして2階のこのスペースは、通称「受験部屋」として、高校や大学の受験勉強をする時期のお子さんが順番に使っているそうです。リビングや他の子供部屋から適度に距離のあるこのスペースは、集中して勉強したい時期にはちょうど良いとのこと。
竣工から10年以上が経った後に実際の使われ方を施主から伺う機会を得て、子どもの成長に応じた個室の在り方について、なるほど!と思わされた事例です。
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