間取りの立体的な解釈に隠された魅力 @田邉恵一
昨年8月に出版させていただきました、建築家31会の新刊「間取りの模範解答」に掲載された1つの住まいをご紹介します。
この書籍の16ページに今回ご紹介する住まいの「間取り」が掲載されていますが、「間取り」のイラストからは「中庭のようなテラス」を取り囲むように建っている住まいのように思えるかもしれません。しかしこの「間取り」だけではなかなか読み取れない空間の工夫があります。
まず建築をイメージするには「敷地の環境」を把握する事が大切で、この敷地は「西側が道路」「南は隣家が迫っている」「北西には富士山が望める」「北側はお隣のお庭」「東は河川敷」という変化にとんだ環境でした。
ここで施主のYさんに「望まれるライフスタイル」をお聞きしたところ、
1 明るい中庭のような、周りから覗かれる事がない住まいにしたい。
2 どこからか「富士山」を望めるようにしたい。
3 キッチンからは「パントリー/洗濯室/洗面脱衣」などの家事動線/機能を連続させたい。
4 家族が帰宅する際、みんなで使えるクロークや、帰宅後すぐに手を洗う事ができる洗面所が欲しく、そのまま浴室も使えると良い。
というようなご要望でした。
「間取り」とは、一般的には平面プランで捉え、この書籍でもなるべく読み取れやすいように「平面プランのスケッチ」をイラストでお示ししていますが、この「平面的な間取り」だけでは分からない「立体的な間取り」も加わって、住まいは完成しています。
そこでこの住まいでは「高低差をつけた玄関からリビングに至る廊下」に沿って「家事動線」が並び、この動線によって囲われる「中庭テラスとリビング」は道路からは覗かれる事が無く、玄関やクローク/浴室洗面部分の屋根がステップ状のテラスとしてリビングからは連続する屋上テラスとなり、ここからは「富士山」が望めるようにするなどをデザインされ、,Yさんのライフスタイルのお答えする、住まいになっています。
▼この図が、立体的な間取りとなる、断面図です、(設計図より)
なかなか、文章だけでは伝わらない「間取り」ですが、写真を参考に、イメージしてみてください。
▼住まいのファサード
玄関が少し下がっていますが。手前の低い平屋部分が、リビングや中庭テラスを外から覗けないようなっている。
このひらや部分の屋上からは富士山が望めるテラス。

▼玄関からリビングに至る廊下。
ここは左側のテラスからの採光を確保し、明るく、リビングも望める通路としている。
廊下に右側は、クロークや洗面などの機能が配置されている。

▼廊下の先に広がるリビング。
左側にテラスが、右側に和室や子供室、2階が寝室。

▼リビングとテラスにつながり。
中庭的であり、閉ざされない広がりを持っていま。

▼中庭的テラスの様子。

▼中庭的テラスの様子。

▼立体的な中庭的テラスの様子。
玄関の屋上にあたるテラスからは、富士山も。

私たち建築家は、住まいとりまく環境の中でいつも「立体的な間取り」をイメージしながら、家族のためのお住まいを創造しています。
− 最新イベント情報 −
2月28日(土)住まいの「なかみ」構造見学会のお知らせ @小泉拓也+栗原守
どんなふうにできあがっていくのか、どうやってつくられているのか…住まいの“なかみ”とは、出来上がった時には隠れてしまうところ。見る機会の少ない工事途中を見ていただくものです。 無垢の柱や梁などの構造材、Baubioとセルロースファイバーの断熱材、通気の工夫などの“なかみ”を実際に見ていただきながら詳しく説明をします。光設計の「呼吸する住まい」の“なかみ”を見ることができるいい機会ですので、是非ご参加ください。 会場:杉並区荻窪 「スロープ玄関の小さな木の家」 ...



