建築模型の裏方@前田敦
来月、恒例の建築展を下記の概要で開催します。
日時:2018年11月9日(金)~11日(日) 10:00〜18:00(9日は12:00〜)
場所:新宿パークタワー1F・ギャラリー3(入場無料)>>Map
展示・トークショー・相談会
ぜひ、お越しになってください。
展示の中心は建築写真パネルと建築模型になります。ここで展示されている建築模型は完成度の高いものが中心に展示されていますので、なかなか見ごたえのあるものになっていると思います。
建築模型と言ってもいろいろあります。展示されているような完成度の高いものもですが、建築家の個性の違いが模型にも現れています。
実は建築模型は設計の過程の中で、その手段に応じて数多くの模型が作られます。
ここで紹介するのはその一部にすぎません。
イメージを具現化する中で、日の目を見ないままボツにされる模型も数多く存在するのです。
その中でも、私が重要視している模型は、
設計の初期段階で建築家の意図をわかりやすく伝えるために作る概念模型です。
例えば、このような空間構成をわかりやすく表現した抽象的な建築模型です。
緑の部分の庭とそこから連続する中庭を中心に、白い床がスキップしながら連続していく様を確認することができます。
窓や家具も何もない空間だけの建築模型ですが、空間の連続性や動線の流れについてはその方がよく伝わります。
この空間を平面図だけで説明していたら、建て主さんに伝わることはないでしょう。
しかし、この簡単な模型だからこそ、一目見て設計者の意図が理解できるようにコミュニケーションのツールとして活用しています。
こうして、まず空間全体のイメージを建て主さんと建築家とが共有することができれば、その後の詳細設計がスムーズに進むことになります。
そして、その設計の過程に応じて模型での説明を継続していきます。
2番目の模型では、スキップフロアを連続するスロープの構成と外観のスタディーを行います。
3つ目の模型では、実際の部屋がどのように配置されているかを立体的に確認します。
4番目の模型では、愛犬と愛猫の動線が立体的に分離されている様を確認します。
さらに、外観の雰囲気を確認して、設計図をまとめます。
そして完成したのがこちら
建て主さんとイメージを共有しながら設計・監理を進めることで、ほぼイメージどおりの完成となりました。
愛犬家住宅:スロープの家・卍
http://www.mac-atelier.com/works.html#slope2
展示されている建築模型を見る際に、その家が完成するまでにどんなドラマがあったのだろう?
この建築家はこの建築模型で何を伝えたかったのでろう?
そんなことを想いながら模型を眺めてみると、何か新しい発見があるかもしれません。
2018年11月9日(金)~11日(日)
建築家が作成した多くの模型が新宿パークタワーでご覧になれます。
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