スムーズな家事動線・収納などサーバントスペースを確保した二世帯住宅 @七島幸之+佐野友美

今週のリレーブログを担当しています、アトリエハコ建築設計事務所です。

2023年1月に竣工した『津田山のガーデンハウス』

<津田山のガーデンハウス> photo:Brian Sawazaki Photography / 澤崎信孝

<親世帯>ご夫婦、<娘さん子世帯>ご夫婦とお子さん、の二世帯5人の住まい。
二世帯住宅と言ってもいろんなカタチがありますが、このお宅は、玄関・キッチン・お風呂など全て共用。そのため、特に水廻りや収納面で家族がストレスなく使えるよう計画しました。

<津田山のガーデンハウス> photo:Brian Sawazaki Photography / 澤崎信孝

南側の条件が良い場所に上記写真のLDKを設け、キッチンから建物北側(写真の右奥の扉から)に
「勝手口のあるパントリー」⇄「ランドリー」⇄「洗面室」⇄「トイレ前室(廊下)」⇄「脱衣室」⇄「浴室」が並んでいます。
そして「トイレ前室(廊下)」からは「玄関ホール」へ繋がっているので完全に裏動線になり、来客時も気兼ねなく使える、回遊性のあるサーバントスペース。


◎キッチンからつづく、持出式可動棚が並ぶパントリー
写真背面には、冷蔵庫とワインセラーを置いています。2.8m程度と天井が高いため、ハシゴでアクセスするロフトを設け、普段使わないものを収納しています。
開口の向こうにランドリーが続きます。


◎ランドリー
振り返り写真で、奥にパントリーが見えています。(写真奥のつきあたり壁に冷蔵庫とワインセラーが並びます)
パントリー勝手口の外に物干スペースがありますが、内部でも干せるようにパイプを設けています。
洗濯物をたたんだりアイロン掛けができるカウンター下には、既製品引出しを置いて、洗濯をたたんだ後すぐに下着やタオルなど1階で使うものを収納。

<津田山のガーデンハウス> photo:Brian Sawazaki Photography / 澤崎信孝

◎洗面室
朝の混雑時も考慮して2ボウル。
足元を浮かしてスッキリ見せつつも、三面鏡収納を設け、引出しにドライヤーを収納できるようにし(内部コンセント付)、雑多なものが見えないようにしています。


◎トイレ前室(廊下)からアクセスする独立したトイレ


◎脱衣室と浴室
二世帯5人家族なので洗面と脱衣室は分け、家族に気兼ねなく、ドライヤーなど入浴後の身支度ができるようなゆったりしたスペースを確保しました。


◎脱衣室の中から、トイレ前室→洗面室→ランドリー→パントリーまで見返したところ
普段は扉を開け放して、風通し良いサーバントスペース。
左の開口(扉あり)の先は、玄関ホールです。

<津田山のガーデンハウス> photo:Brian Sawazaki Photography / 澤崎信孝

◎トイレ前室(そこから脱衣室や洗面室へ)からつながる玄関ホール


◎個室がある2階に設けた、ウォークインクローゼット

この住宅では、設計の打合せの中で家族の人数や日々の家事を考え、このような回遊性あるサーバントスペースを設けました。
住まう方の暮らし方・持ち物の量によって、このようなスペースが必要かどうか、また形状も変わってきます。計画時にざっくばらんにお話ししてそのお宅に合ったカタチが実現できたら、日々の暮らしが快適になるのではないかと思います。

『津田山のガーデンハウス』についてのブログがありますので、こちらも併せてご覧ください。
ウッドショックの最中での実施設計ケーススタディー 構造部材の選択肢が狭まった木材の供給状況における構造検討 @七島幸之+佐野友美

老朽化した大谷石擁壁の改修事例のご紹介 @七島幸之+佐野友美

竣工から1年後の庭づくり @七島幸之+佐野友美

また、今週末のイベントでは、この住宅の模型とパネルを展示します。
ぜひイベントに遊びにいらしてください。

『津田山のガーデンハウス』の事例写真はこちら>
アトリエハコ建築設計事務所(@七島幸之+佐野友美)の他事例はこちら>
アトリエハコ建築設計事務所(@七島幸之+佐野友美)のホームページはこちら>

著者情報

七島幸之 + 佐野友美七島幸之 + 佐野友美

七島幸之 + 佐野友美 ななしまゆきのぶ さのともみ

アトリエハコ建築設計事務所

詩的にシンプルな、それでいてユーモラスな建築をつくりたいと考えています。 要素を削ぎ落とすのではなく、生活の為の設えがさりげない在り方で生活を彩る、シンプルな家。 姿カタチや空間の佇まいに住まい手の個性が垣間見えるような、唯一無二の「生活の容器」を自由で柔軟な発想で追求します。

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