高天井のアイランドキッチンレンジフードカバーを鉄工所で打合せ製作
月、火のパトログを飛ばしてしまいましたので頑張って更新しています。普段ブログ等つけていないので、こんな時大変ですね。今回は鉄の話です。
建築家に依頼すると自由な空間づくりが出来ます。現在建築中の埼玉の住宅はリビングが大きな吹き抜けになっていて、かつアイランド型のキッチンなので、レンジフードを高い天井から吊らねばならず、既製のレンジフードがそのままの状態で付きません。
そんなケースに、以前在籍していた事務所ではフードそのものをデザインして制作していたのですが、そこそこコストもかかりますし、デザインはマッチするのですが、掃除のしやすさや故障した時のフォローの問題が既製のフードには追いつきません。
そこで髙野事務所では、既製のレンジフードにカバーを制作して一体化し、それを天井から吊るというやり方をしています。例えばこんな形です。
左上に写っている壁から飛び出した長細い箱がレンジフードです。葉山の家という別荘で、動線上、上階からリビングに降りて来た時にキッチンを通るのですが、普通のフードを付けてしまうと、いかにもキッチン裏を通りますという感じでリゾート感に水を差すので採用しました。
ちなみに一般的なレンジフードの価格は15万円位、デザインに拘るとARIAFINA等で25万位するのですが、三菱の業務用コンパクトフードは性能重視で3万円です。カバーをステンで制作して15万位ですので、それほどのコスト差が無く実現できます。
今回の埼玉の家ではもう少し大きいので、スチールで制作して材料コストを抑えながら、塗装と施主である材木屋さんから支給される木材を貼る意匠を採用しました。前置きが長くなりましたが今日のブログはその打ち合わせの様子です。
訪れたのは高野事務所の近所にある鉄工所です。17時を過ぎた頃でしたので、シャッターが半分降りています。
待っていてくれたのは営業部長の宇戸さん。
概略を解りやすく描いたスケッチと、現場での組み立て方まで検討した図面で内容を説明し、どんな方法でつくることが出来るのか、材の種類や厚みなど、強度や重さを考慮して決めていきます。
材料置き場の様子です。
黒光りする無垢の鉄鋼が整然と並び、ものづくりの人間としては血が騒ぎます。
高野は1mmの鋼板でコーナーにアングルを当てながらスポット溶接で組み立てる図面を描いていたのですが、0.8mmの鋼板を見せて頂いたところ、なかなか粘りがあり、溶接跡も出ないだろうということで0.8mmに決めました。材種はザム材、スーパーダイマ、ガルバ、ボンデ鋼板とある中で、コスト的に安価で、ある程度の防錆、直接塗装が出来るという作業性を評価してボンデ鋼板に決めました。1mmから0.8mmになったことで、想定していた重量を20%程軽くすることが出来たのは収穫です。
取り付けは天井の大梁にコーチボルト8本なので、一本あたりの耐荷重を20kgとして160kgですから、総重量の4倍以上を確保してGO。その他ベランダの手摺の制作を依頼して打ち合わせは終了。来週火曜に見積もり待ちとなりました。
宇戸さん、遅い時間にお付き合い頂きありがとう御座います。
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